ysheartの長い旅

観戦、観劇、鑑賞をきっかけに感傷に浸る旅の記録です。

#02 2月21日・東京少年少女


先週の金曜日、今年の初ミュージカル観劇は、「東京少年少女」になりました。

ミュージカル「東京少年少女」
渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
2020年2月21日(金)18時開場・18時30分開演
脚本・演出:大塚幸太 音楽監督角松敏生


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昨年、(1)なぜか無性に角松敏生の音楽を聴きたくなったのと、(2)青いジャケットと、制服を着て学校に通う年頃の少年少女をテーマにしていることに魅かれたこと、が理由で、角松のミニアルバム『東京少年少女』を買って、聴きました。ミュージカルを想定しているということで、実際に、聴いたら確かに、舞台のいろいろな場面が浮かんできそうな作品で、ただでさえ、ミュージカル好きな僕は大変気に入り、また、この舞台化を楽しみにしていたのです。さいわいにも、チケットが手に入ったので、金曜日、仕事帰りに、さくらホールにやってきました。(もっとも、当日券も売られていたようです)

 

 途中休憩15分をはさんだ3時間の舞台。予備知識全く無しで観劇に臨んだのですが、活き活きとしてさわやかで、しかも、知っている役者さん、ミュージシャンは、全然いないのに、楽しい気持ちで向き合えました。

 

しいて言えば、前半は、やや話の核心が見えない、曖昧模糊とした並列的な印象でしたが、しかし、後半は、ストーリーも人間模様も台詞そのものも急展開してぐいっと引き込まれました。

 

角松の音楽がきっかけだったysheartの最大の関心は勿論、あのミニアルバムからどのように曲が使われるかという点でしたが、この舞台作品で初めて聴く曲も、ストーリーに合わせて多く聞かれ、ミニアルバムからは、6曲中、5曲が聴けました。

 

オープニングトラック「to be or not to be」、「大人の定義」、「恋ワズライ」・・・特に、レゲエ調の「恋ワズライ」が本舞台で面白い男子生徒が、なかなか明るく楽しそうに(しかも上手に)歌ってくれました。

 

僕が6曲中最も好きな2曲目「まだ遅くないよね」は、二幕の(おそらくストーリーの最重要場面である)レナとケイトの場面で、本当に感動的に結実します。この場面では、12歳のころのレナとケイトも登場し、忘れがたい場面です。

 

コンクールに出るか出ないかで部員たちが言い合う場面はいちばん緊迫感があって、”少年少女”の舞台になくてはならないでしょう。彼ら彼女らはどこへ向かおうとしているのか、何を見出すのか、自分なら、と想像し(あるいは、もしもあの時、と自分の過去とシンクロさせ)たりするところです。

 

 それはふりかえれば、どうってことではなくなっているわけですが、あの時はそれがすべてだった、それで十分しあわせです。事態はみんなの表情が輝く、あるべき展開へと導かれて、歌声も楽器も迷いのない音が奏でられて、希望の持てるフィナーレを迎え、「東京少年少女」の歌で、会場はひとつになるようでした。

 

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台本の終わりのほうに書かれていない場面が、舞台には、あった記憶があります。父親が息子に声をかける場面でした。校長の娘が部内にいる設定もそうですが、ともかく、わかりやすく伝えたいという制作者の意図があったのだと想像します。なくても、僕には伝わっただろうと思いますが(笑)

 

また、どこかで、今回のキャストの皆さんの活躍に出会えたなら。

 

 

#01 旅の再開・クラシック高らかに





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2020年2月最初の日の青空。見たままのいつもと同じ空であるように願う。


さあ、今日は、2020年2月26日。2月も間もなく過ぎようとしています。時のたつのはあっという間ですね。
平日の朝。私、ysheart(ワイエスハート)は休みをとって上野まで来ました。以前、フライヤーを手に入れて、やはり行こうという気持ちになって当日券(550円)で入場。

東京文化会館 上野 de クラシック  Vol.41
11:00-12:00
出演: 三村梨紗(トランペット) 下田望(ピアノ)
東京文化会館 小ホール

有名なクラシックの指揮者、交響楽団を観に来るのも楽しいのですが、これから有望な人による費用のかからないものが案外心を和らげることがあります。そして、いま、学生で、コンクールなどで入賞し本当にこれから旅立っていく人に惹かれることもあります。今日は、その時です。

なお、書くのが遅れましたが、私は、クラシックは素人で、演奏もしません。聴く人ですが、ysheartは天才的な耳と、天才を見分ける資質、インスピレーションを備えている・・・はずです(笑)

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写真のフライヤー中央に、今日の内容。すでに予定枚数終了しかし当日券あり。

自分にとっては、トランペットがクラシックのコンサートの中心になるということから、すでに新鮮なのです。トランペットといえば、ジャズの楽器のイメージが大きかったのです。小さく気品のあるステージの空間には、3つのトランペットを持った方が、ピアノの方とともに現れました。

プログラム
1 マルチェロ トランペット協奏曲 ニ短調

三村さんのあいさつ・解説によると、もともとオーボエの曲だったものをピッコロトランペットで演奏したが、こういう演奏は初めてだということです。
(家に帰ってからいろいろ調べると、たしかに、『オーボエ協奏曲 ニ短調』というのがありました)
これは3つの楽章に分かれていて、解説の後で、次の2曲目が始まったのは、11時14分ごろでした。

2 アーバン 歌劇「ノルマ」(V.Bellini)の主題による変奏曲より抜粋
3 グラズノフ アルバムブラット

ここで、トランペットの演奏法の解説をしてくださいました。とてもためになります。曲数が多いので曲を進めていきたいと思います、との話(笑)確かに、こちらも、12時までの1時間で無事に収まるのか外野の余計な心配をしていました。

4 クライスラー 愛の悲しみ
5 ドリーブ カディスの娘たち
6 ピアソラ オブリビオン

ここまでで、いったん間があって、再びお二人(三人)が登場。早いもので、最後の曲になります、と。

7 7つのスペイン民謡
  1.ムーア人の織物
  2.ムルシア地方のセギディーリャ
  3.アストゥリアーナ
  4.ホタ
  5.ナナ(子守歌)
  6.カンシオン
  7.ポロ

アンコールは、あの!(冬季の氷上競技好きの私には、フィギュアスケートでなじみのある)
歌劇「トゥーランドット」から、「誰も寝てはならぬ」。
”今日はたくさんの方にお越しいただき、本当にありがとうございました。またどこかでお会いできるのを楽しみにしています”、とのごあいさつ。
素晴らしい時間でした。こういう贅沢で、今は、十分に癒されます。

 

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いま、26日の夜。今日の演奏曲目を動画で聴いて確認していました(ほとんど知らない曲だったので)。しかし、それぞれの曲の感じは覚えていました。

クラシックのオーケストラを構成する楽器ひとつが主役になる楽曲、とくに管楽器によるものに注目できた貴重な機会でした。三村さんは、これらをトランペット(金管楽器)で演奏されました。これから、またどこかで聴きたいと思いました。

このブログは、平成の後半、長きにわたって書いてきた、ys-hearty-blog(ワイエスハーティーブログ)を引き継ぐものです。事情により、これまでの環境のまま続けることができなくなったのが、昨年の夏のことでした。以後、仮の場所でしばらく続編を記していましたが、昨年の末から、続け方について行き詰まっていたのです。それで、ようやく、今日、再スタートとなりました。

無事に再開の運びとなったものの、これまでのブログの整理・保存などをどうするのか、令和の時代に入って、さすがに、ブログを書き始めたころとは自分自身の価値観も、自分を受け止める社会の雰囲気・寛容度も変わり、そのうえ、社会自体も、これまでの心のよりどころとなっていたものが失われたり衰退し、さらには、新型の感染症が世界を脅かす事態に直面していて、先が見えない不安な時を迎えています。

そのような状況下ですが、文化的な時間を過ごす中で自分の想いをつづることは続けたいと、今日、旅がまた、始まりました。


自分の人生もこれまでの半分も残っていないかもしれません。これまで育てた価値観、信ずるものを確かめる、ロードムービー的な時間を大切に、いつ果てるとも知れぬ旅路を進みます。よろしくお願いします。