雨は本降りでしたが、会場のキャパシティの緩和により、SOLD OUTで予約が取れなかったはずのチケットがとれることになったため、夕方から下北沢のライブカフェに出かけました。
”10月はたそがれの国”
2020年10月17日(土)
ニュー風知空知(東京・下北沢)
18時30分開場、19時開演
出演:
下北沢のライブハウスへは、小劇場へ行くほど行ってはおらず、今回の会場は初めてでしたが、この4人によるシリーズは、SalyuのMCによれば、昨年2月と夏の2回以来、つまり僕が知らずにいただけで、すでにこれが3回目になるようです。Salyuが言っていた通り、本当にこのところ(コロナ禍にあることで)、あれ前はいつだったっけと思うくらいに、”タイム感”が違ってしまっていますね。これは、誰もそういう感じになっていると思うし、僕もそうです。
Salyuによれば、この4人によるライヴも当初は対バンのような形式だと思っていたが、Salyu&羊毛と、佐藤&長田で、”交互に物語を紡いでいく”かたちで進行していくとのこと。Sa羊が先、佐長が後で、それぞれ2曲、2曲、3曲、3曲、アンコールで1曲。そして最後は全員で1曲と、合計23曲。21時過ぎまで続いて、今の世の情勢下で本当に充実した内容になりました。
Salyu&羊毛の曲は、「新しいYES」「VALON-Ⅰ」、「光りの束」「再生」、「雪の下のふきのとう」「HALFWAY」「messenger」、アンコールは「Lighthouse」でした。なお、アンコール手前の3曲は、羊毛とおはなの曲のカヴァーに挑戦されて、あたかもSalyuの曲のように聞こえたのでした。Salyuが自分の曲に欲しいと言っていましたが、そういった意欲が、成果を出したのではないでしょうか(笑)
※アンコールは、佐藤・長田組が「ムーンリバー」で、Salyu羊毛組が海のイメージで、Lighthouse。僕はドビュッシーの世界をイメージしました。
佐藤奈々子さんという方は、初めて知った(と自分では思っている)のですが、ネット上で調べたら、佐野元春さんをはじめ、日本のポップス界で多くの人とともに活躍されてきたということが分かりました。今日は、佐野元春さんと42年前に共作したという、夜のイサドラという曲も演奏されました。
天使は知っている、という最初の曲を聴いて、ウィスパー・ヴォイスが特徴のある方だと察しまして、しかし、この感じでプログレッシブな音楽表現もなさっていそうな印象を持ちました。例えば、ケイト・ブッシュのようなイメージです。MCで話をされる雰囲気は、女優の宮城まり子さん(1927-2020)を思い出しました。
長田進さんは、Coccoなどとの作品で覚えています。ギター演奏は、今日は羊毛さんの影響で同じタイプのギターにハマったという話をされていました。曲の終わりにギターを両手で持って少し揺らす感じは、最近ネットで見た配信映像なら、ニール・ヤング(Neil Young)が浮かんできました。長田さんは日本のロック界のニールっぽかったです。”こうして、来てもらえる、会場に(お客さんが)いてもらえるだけでうれしい、とおっしゃっていました。
ラストの4人による演奏では、Salyuの声は唯一無二の楽器だとあらためて感じました。メインのボーカルパートを佐藤さんが歌うのに合わせて、声を聴かせてくれましたが、ペダルスティールギターのような秋の風と空に透過して澄み渡る空気を感じさせるような声、感じ入りました。
ステージが終わって外に出たときも雨の降り具合は変ることがありませんでしたが、久しぶりにライヴを観たという気持ちで下北沢を後にすることができました。ニュー風知空知は、店内もしゃれているので、また別の機会があっても来てみようと思いました。
Salyuの歌声を現場で聴くのは、今年2020年は、これが2回目です。2月にスカイツリーのプラネタリウムで聴いて以来になりますが、このコロナ禍で2回は、僕なりに頑張って観に来れているつもりです。ただ、これまでの4人でのジョイントライヴの経緯も今日知ったほどで、少し間が空くとアーティストの状況も変わりますので、自分のフェイバリットな人は、ちゃんと情報を得ていきたいと思っています。21世紀は、Salyuのおかげで音楽的にも生活のリズムも活き活きとした心地で歩んでこられました。これからも良い奏でを楽しみにしております。