ysheartの長い旅

観戦、観劇、鑑賞をきっかけに感傷に浸る旅の記録です。

#17 晩秋の弦楽四重奏曲、初冬のヴァイオリンソナタ

クラシックのコンサートで始まった、このブログ《ysheartの長い旅》ですが、今回は、11月30日の弦楽四重奏曲のコンサートと、今日12月13日のヴァイオリンソナタのコンサートの感想です。

 

先ずは、今日の演奏会から。

 

庄司紗矢香 ヴィキングル・オラフソン デュオ・リサイタル

2020年12月13日(日)14時開演(13時開場)

横浜みなとみらいホール 大ホール

 

【プログラム】

J.S.バッハ ヴァイオリン・ソナタ第5番

B.バルトーク ヴァイオリン・ソナタ第1番

-20分休憩-

S.プロコフィエフ 5つのメロディ

J.ブラームス ヴァイオリン・ソナタ第2番

 

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横浜みなとみらいホール入口(12月13日)。

 

庄司さんは今回、脚の治療中ということで座っての演奏でした。僕は、庄司さんのライヴでの演奏を初めて観ますが、姿が見えると、ピアノのオラフソン氏が大柄なためか、少女のごとく小さく、それがまた可愛らしく見えました。14時5分ごろ開演。先ずは、J.S.バッハから。

 

(以下、私はクラシックを聴くのは知識もそうですが素人なので、表現が庶民風なのはご容赦願います)

 

この四つの楽章は、バッハの曲だからか、予習として聴いてきた通り、いちばんオーソドックスな曲調で、二人の演奏による自己紹介或いはウォーミングアップのように聴けました。

 

覚悟はしていましたが、次の曲がすごいのです。

バルトークの楽曲を意識的に聴いたのは、庄司さんのコンサートチケットを入手してから(今年に入ってから)ですが、プログレッシブ・ロックで言えば、キング・クリムゾンの曲を聴いているような気分になる、本当に抽象的な音楽です。

 

これを、庄司さんのヴァイオリンでライヴで聴けるとは。弾いてる時の鬼気迫る感じ、ピアノのソロの一瞬のすきに、ぱらっと譜面をめくって、また奏でる!

座っていらっしゃるのに、その表情、演奏に向かう姿が、ホール内の空間をぐるぐると操作しダイナミックに動かしているように映りました。

 

休憩の間に、CDコーナーを見たのですが、バルトークは、CDになっていないのかな。これは聴けて、あらためて、貴重な時間が過ごせたと思います。

 

休憩後は、短い5つの楽曲が連なるプロコフィエフの作品。そして、いちばん早いうちから聴き慣れていた、ブラームスのヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調です。

僕は、庄司紗矢香さんの音楽を『ルーヴル・リサイタル』というCDで初めて聴きまして、その中にあったのが、この曲。特に、ブラームスは、交響曲も4曲とも好きで、あるコンサートを機に、よく聴くようになったのですが、ヴァイオリン・ソナタは、庄司さんの録音を聴いてから、今回のライヴの演奏を聴くという過程をたどっています。この曲で、本編を聴き終えられたことには、何かしらの縁を感じるのでした。

あいさつ3回目の喝さいを受けた二人は、アンコールで、バルトークの『ルーマニア民俗舞曲/6 Romenian Folk Dances』を演奏。

(家に帰ってから、何人もの同曲の演奏を動画で見たのですが、庄司・オラフソン組にかなうものが、ありませんでした。庄司さんの演奏は、現代的なパワーと活気に満ちた明るさを感じさせるものでした)

 

そして、また3回目のあいさつ(この時スタンディングオベーションの私ysheartでした)で、再び、オラフソン氏のMCでアンコール2曲目が紹介されました。パラディスの『シチリアーナ/Sicilienne』でした。本当に最後を飾るにふさわしい、静かで落ち着いて、品のある楽曲とヴァイオリンの音色でした。

 

CDとコンサートを通して、庄司さんの演奏をこれからも観たいとの意を強くした、2020年のysheart。

夕暮れ時、クリスマスの近づく、横浜のイルミネーションの中、心地よい気持ちで、通りを歩いて消え去っていくのでした。・・・

 

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みなとみらいホール付近。花のようにクリスマス間近の彩り。

 

さて、例年に比較して、コロナ禍の影響で、なかなかコンサート会場に行けなかった2020年が暮れようとしていますが、クラシックでは、もうひとつ、11月30日の月曜日に、日経ホールにて催された、弦楽四重奏曲の演奏を観てきたので、自分の回想の整理のためにも、ここに記しておこうと思います。こちらも、ysheartにとって、大切な場所でした。

 

第502回 日経ミューズサロン

前橋汀子カルテット

ベートーヴェン生誕250周年記念公演

 

2020年11月30日(月) 午後6時30分

日経ホール

 

前橋汀子(ヴァイオリン)、久保田巧(ヴァイオリン)、川本嘉子(ヴィオラ)、北本秀樹(チェロ)

プログラム

オール・ベートーヴェン・プログラム

弦楽四重奏曲 第4番 ハ短調 作品18-4

弦楽四重奏曲 第11番 へ短調『セリオーソ』作品95

弦楽四重奏曲 第14番 嬰ハ短調 作品131

 

アンコール

チャイコフスキー 弦楽四重奏曲第1番第2楽章

 

 

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日経ホール。仕事帰りに。

 

今年は、12月16日ごろに、ベートーヴェンの生誕250周年を迎えようとしていますね。

 

元日に、勢い余って、バーンスタイン指揮による交響曲9作品を連続して聴いて疲れ切ってしまったのですが(笑)、今回、弦楽四重奏曲のコンサートだということで、その疲れも忘れて、(もともとベートーヴェン弦楽四重奏曲自体、聴き慣れていなかったので)4番11番14番を予習して行きました。

 

弦楽四重奏曲は、4番11番はそれぞれ第4楽章まであるのですが、14番は、第7楽章までありますね。やはり、11番の後に、休憩が入りました。

予習の優先順の影響で、どうしても4番の曲の印象がいちばん記憶に残ったのですが、全体に、同じ弦楽器同士で個性がぶつかって融け合い、ドラマティックな音楽だなあと思いました。

アンコールは、その時点では何という曲かわからなかったのですが、曲の感じを記憶しておいて(ここで説明しよう!ysheartは知らない曲のメロディや歌詞の一部分を覚えておいて、家に帰ってから、それを手掛かりにその曲名を突き止めるのが得意じゃないけど好きなのだ! 笑)、インターネット上の情報から、チャイコフスキー弦楽四重奏曲第1番第2楽章だと知りました。

チャイコフスキーは好きな曲がいくつかあるのですが、これを知らないとは、まだまだよのうと反省でした。会場で4人の演奏で聴いた時、ロシア民謡の「ヴォルガの舟歌」みたいに聞こえるパートがあって、それを覚えていたので、ネットの情報と一致できたのでした。

 

ところで、こちらの日経ホールのコンサートにやって来たのは、久保田巧さんの演奏を久しぶりに見つけたためでした。久保田巧さんのライヴでの演奏は、15年振りに拝見しました。

 

トッパンホールで、2005年に、プロコフィエフ無伴奏・・・などを演奏され、その時はグザビエ・ド・メストレ(ハープ奏者)と共演されました。

その時、握手させていただきまして、CD持っています。私のもう一つのブログ【THE OTHER SIDE OF LIFE~ysheartの部屋】でもCDの感想を書いてあります。今年の初めに、たまたま書いたのですが、今年のうちにコンサートを再びみられるとはとてもうれしかったのです。

コロナの影響で、サイン会などがなかったのは、残念でしたが、私が11月30日に観て聴いたことは、私にとって、大切な財産となるでしょう。

 

 

人生は一期一会。邂逅は奇跡。

by ysheart

 

以上、クラシック音楽のコンサートについてのレポートでした。

 

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きっかけとなったCD『ルーヴル・リサイタル』。

 

庄司さん、脚が快癒されますように。

演奏されたみなさん、ご健康でありますように。

 

2020年も秋の終わりから冬の始まりの時期となり、今年の時間は残り僅か。そういえば、今日12月13日は、”正月事始め”の日らしい。部屋の大掃除からか。