秋の晴れた土曜日、ysheartは久しぶりに、美術館へ行ってきました。上野公園の敷地内と周辺には、いくつかの博物館・美術館・図書館がありますが、今回は、まず、上野の森美術館です。
蜷川実花展 ー虚構と現実の間にー
11月14日まで開催
「上野の森美術館」。前回行った《ゴッホ展》(2019年10月11日~2020年1月13日)の際には、向かいの円状の敷地をぐるっと行列が囲んでいて入場が大変だったのでそういうのを想像していましたが、午前中行ったら前売りをスマホで買った人(私を含む)の列が30人程、当日券の窓口もまだ列はなくて、ほっとしました。コロナ禍で入場は1組ずつゆっくりでした。
入ると、中のほうがやや混んでいましたが(通路がやや狭い)、スタッフがたえず声をおかけになっていて、私も追い抜くときは追い抜いて、自分が見たいものを目星付けて進んでいきました。
作品のほうは、いつもながらの幻想的だったり鮮烈な色彩だったりが特徴的なものから始まったのですが、いちばん初めに入口すぐのところで見た懐かしいような街の風景の写真、それだけは例外的なものでした。
花や自然のコーナーから、モデルの写真(ここは撮影禁止)へ、それから、やがて魚や、映画作品の映像(すみませんが、蜷川さんの映画作品は好きじゃないんです)を経てきました。そして、御父上の幸雄氏が亡くなられる時期の風景写真のコーナーで、最初の懐かしいような街の風景の写真と同じ雰囲気の写真群が視界の前に現れたのです。
いつもながらの、これぞザ・蜷川実花という類の写真とは違う世界が見れたことが今回の大きな収穫でした。おそらくキャプションの文章からすると、蜷川さんが花や魚を撮るとき、そこには自然をありのままとらえる、という発想ではなく、それらを自分の創造したイメージに染めること、擬態するということが重要だったという気がします。ご自身の世界ということを強く打ち出す勢いだったのでしょう。しかし、その追われるような創作活動で心にストレスを抱えていき、それがセルフポートレートのコーナーの一群の写真に表されたのではないかと解釈しております。違っていたらすみませんが、あまりしっかりと文章を読むよりも、直感的に向き合うほうがいいと思って、実はそれほど説明を丹念に読みませんでした。
今回はそんなわけで、淡い色の花とか紅葉とか、僕がザ・・・と思っているのとは違うタイプの写真のポストカードを買って、あとは松屋製菓のチロルチョコの蜷川実花展ヴァージョン?を購入しただけで会場を出ました。
花が青空の下くっきりと咲いている写真が、僕の中のザ・・・なのですが、そういうものは今回、しっかり受け取ったものの内容は異なりました。
ところで、蜷川実花さんの写真といえば、僕が美術館で見たもので最初の鮮明な記憶は、庭園美術館のインスタレーションです。何というタイトルの企画展だったかなあ、まさか記録はさっと出てこないだろうな、とあまり期待せずに検索したら、なんと、明確に整理された記録が、東京都庭園美術館の公式ホームページに存在していましたよ!
それ(過去の展覧会)によると、2005年9月3日~11月6日開催の《庭園植物記》であることは、ほぼ間違いないと思われます。庭園美術館の企画展は、次の《華麗なるマイセン磁器》(2005年11月19日~2006年1月22日)も見に行った記憶がありますが、植物記のほうでしょうね。花のインスタレーションでしたから。
そのほかの作品の記憶は、2006年のSalyuのシングルCD「風に乗る船」のジャケットが蜷川さんの撮影によるものです。すぐに蜷川さんとわかります。ちなみに、この女性歌手・Salyuを私はこの曲で知り、以来、一時期かなり熱心に応援していました。私の人生最愛のアーティストだとさえ認識した時期もありました。その精神は今も私の中で変わっておりませんが、当時に比べればだいぶ平常心でSalyuの世界と向き合えているつもりです(笑)
今日は、その後、御徒町などのにぎやかな風情を眺めて(現在、シタマチパンダ祭り開催中、沖縄ウィークということで、沖縄のミュージシャンが特設ステージに登場したり、今日などは三線のグループの演奏が行われていました。元つりビットの安藤咲桜さんが時々、MCで登壇していますが、私も木曜日に行ってソーキそばを食ってまいりました。さすがysheart笑)、比較的のんびりした散策の後、帰りました。
今日の自分は、それで良いと思いました。
みなさん、ひきつづき、よい休日をお過ごしください。