ysheartの長い旅

観戦、観劇、鑑賞をきっかけに感傷に浸る旅の記録です。

#58 平沢進INTERACTIVE LIVE SHOW 2022「ZCON」

平沢進さんのインタラクティブ(interactive、=観客参加型)ライブ《ZCON》が、3月25日、26日の2日間3公演開催されたので、私ysheartは、25日夜と、26日1stShow(昼の部)の2回、観てきました。26日の夕方から別件があったので、2ndShow(最終公演)は、これから、アーカイヴ配信で観て、後で、この記事に追記します。

 

平沢進

INTERACTIVE LIVE SHOW 2022「ZCON」

東京ガーデンシアター(江東区有明

※ysheartが会場へ行ったのは以下2公演

2022年3月25日(金)18時開場/19時開演

2022年3月26日(土)13時開場/14時開演

 

☆☆☆☆☆

【ZCON】の物語の内容:

(公式サイトにある説明参照でお願いしますが、これは本公演のオープニングで、スクリーン上にて平沢さん(nGIAP)も同じ説明をなさいます。私の能力で可能な限りでまとめると、

 

(1)20年前から現在を覗く男nGIAPは、自分の未来のため、テンプレと呼ばれる姉妹、ルビイとシトリンをZCONの支配から解放しようとする。

(2)歴史上、人類は優れた者アヨカヨと、劣った者アンバニに分けられ、アヨカヨは、ZCONという装置で、アンバニの頭部に概念的な石、ZCONITEを発生させてそれを制御することによって、アンバニを支配してきた。が、アヨカヨが自滅したことでZCONは停止し、アンバニを導くものがなくなって、このままでは世界は混乱を極め、アンバニも滅びることになる。それは、nGIAPにとってもよいことではない。

(3)アヨカヨが人類を優生学的に支配する以前の世界では、旋律の組み合わせ、デュンク・アンは、人々を導くBEACONとして認識されていた。ZCONITEによって聞こえなくされたBEACON、デュンク・アンの旋律を思い出させなければならない。(ルビイがサックスを演奏、シトリンが声を発して唄い、平沢さんと会人のお二人が演奏する音楽がBEACONに相当すると思われます)

(4)nGIAPは、タイムラインの中に、ZCON操作に必要な天候技師グループ(在宅で生配信を観て参加する人たち)と、現実の改訂評議会(東京ガーデンシアターのオーディエンスのみなさん)を必要な瞬間より少し過去に戻って編成できる。

☆☆☆☆☆

 

 

25日(1公演目)

 

この公演後における私の感想ツイート、26日午前0時30分。

インタラクティブライブZCON初日”最も悪いルート”で虚しい結末。BEACONからの楽曲、あらすじを予習して間に合わせたので集中できた。物語が今の世相に合致してる気がする。選択する時点で何か根本的に間違っていたからバッドエンドに至ったのだと思うしかない、明日は気をつけよう(笑)#平沢進

 

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25日、初日は19時開演。仕事から急ぎ、無事、間に合った。

 

セットリスト

1.COLD SONG

2.TRAVELATOR

※核P-MODEL『回=回』(2018年)収録。

3.LANDING

☆HAPRA次元数設定成功、改訂を選択→ZCONITE消えません

4.消えるTOPIA

5.クオリア

※ソロ第13作『ホログラムを登る男』(2015年)収録。

☆HAPRA次元数設定成功、改訂を選択→ZCONITE消えません

6.燃える花の隊列

7.転倒する男

8.幽霊列車

☆HAPRA次元数設定成功、改訂を選択→ZCONITE消えません

9.論理的同人の認知的別世界

☆ここで次の曲、BEACON始まるが途中で停止

10.TIMELINEの終わり

11.ASHURA CLOCK

P-MODEL第11作『電子悲劇/~ENOLA』(1997年)収録。

12.BEACON

13.記憶のBEACON

 

19時5分開演。20時50分ごろ終演。

”改訂を選択”というのは、これまでのインタラクティブライブと同様、会場のオーディエンスがスクリーン上に映された2つの選択肢の内いずれかで、拍手をします。たくさんあったほうが、選ばれるのですが、今回は、いずれの時も失敗でした。

ZCONITEが消えなかったということは、世界は滅びる方向のままだったということです。何とも虚しい結末でした。

最後は出演者のみなさん(平沢さん含む5人の方、ルビイ役はナカムラルビイさん、シトリン役は折茂昌美さん)があいさつされて、感じは全然悪くなく、淡々と退場されていきました・・・。

改訂というのは、スクリーン上に映った、書庫の書物にある文を2つの選択肢(LとR)のいずれかに書き換えるのですが、アヨカヨの都合の良いような文面をどのように換えればよいか。難しい文なので、考えて決めていても、うまく行かなかったわけですね。

しかし、明日があるさ(笑)楽しみに、夜の家路をたどりました。

 

 

26日(2公演目)

 

 

この公演後における私の感想ツイート、27日午前0時10分。

インタラクティブライブZCON終了お疲れ様。2日目は、1stSHOWを観た。今日は全部自分が選択した通り行けたら最善のルートになったんではとか勝手に思いつつ、昨日より進歩。姉妹の場面聴きごたえあったり、面白かった。あのピエロ、平沢さんなんですね(!)。 2ndSHOWはアーカイヴで観る予定。#平沢進

 

セットリスト

1.COLD SONG

2.TRAVELATOR

3.LANDING

☆HAPRA次元数設定成功、改訂を選択→ZCONITEは消えた!

4.燃える花の隊列

5.転倒する男

6.アート・ブラインド

7.消えるTOPIA

8.幽霊列車

9.論理的同人の認知的別世界

☆BEACON途中で停止

10.TIMELINEの終わり

11.ASHURA CLOCK

12.BEACON

13.記憶のBEACON

 

15時45分終演。

上記リストに書き込んでありませんが、「LANDING」の後のが1回目の選択でした。

なんと、ZCONITEが消えました!

この最初のL,Rは僕の記憶では、前日とは入れ替わっていたような気がしましたが、LかRかで記憶せず、文章で覚えておこうとする真面目なysheartですから←、これはうれしかったですね。みなさんも、そうだったと思いますが。

しかし、その後、2度目は、Lが選ばれ、ZCONITE消えず。私はRでめいっぱい拍手していただけに惜しい気持ち。さらに、3度目(歴史は詐欺的創作物云々)選択は成功。

なかなかよい流れだったはずですが、それでも、デュンク・アンの構成音がひとつ足りない、と(ルビイ、シトリンの奏でる場面は前日よりも厚く熱く響きました)。終盤に出てくる、”保護者”なる存在は消滅させられましたが(もっともらしく助けに来るやつこそ、アヨカヨの悪賢さを象徴しているようなところは、現実の私たちの世の中にも通じるなあと思っていました)。ラストの小屋爆破は同じ。

なお、あの江戸っ子みたいな口調のピエロは、平沢さんご自身らしいですね(ネット上のいくつかの情報から)。声も表情も巧すぎませんか?(笑)本当ですかね←(笑)

真偽のほどは定かでありません←←

 

nGIAPが話す、自分の頭で考えること、これは、今の世界の人々、日本人にこそ、必要なことではないかと、思っています。

最後に、あいさつで、師匠が、”決して最後にいちばんいいルートを残してコントロールしているわけではない”という趣旨のことを話されました。選択されたルートも”よくない”ルートというわけでもないと。

この後、アーカイヴで最終日の模様を観る予定です。ネット上の情報を見ないで、楽しみたいと思いますよ。たとえそれが、ハッピーエンドにならなかったとしても。私たちが選んだ道なのだから。

 

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2日目、雨が上がりそうだったが、晴れ上がらなかった。

 

平沢進さんのライヴは、2013年のインタラクティブ「ノモノスとイミューム」を観に行ったのが生の会場の最初の体験でした。続くインタラ「WORLD CELL 2015」も観ましたので、この雰囲気、久しぶりでうれしかったです。今回がいちばん、わかりやすいです。

このほか、平沢さんのライヴでは、2017年の「第9曼荼羅」は観ました。

CDは、ソロ作は『現象の花の秘密』『ホログラムを登る男』『BEACON』と聴き続けていますが、核P-MODELはなぜかまだ買って聴いたことがありません。

平沢進の音楽に衝撃を受けてから今年で10年。その間、P-MODELや、平沢さんのLIVE PHONONのDVDなどで、遡って見たり聴いたりしてきました。まだご健在で創作力も素晴らしく衰えを全然知らないように見えて、尊敬あるのみです。

 

では、以下の空白には、あとで、いろいろ追記の予定ということで、これにて。

 

(未完)

 

【以下、3月30日に追記したものです】

26日の最終公演(2nd Show)を、アーカイヴ配信で観ました。

1st Showの5曲目「転倒する男」までと、2ndとは同じでしたが、

この後の、2度目の書き換えにて、

改訂評議会の選択は、私が1stで拍手したほうと同じだったおかげで、ZCONITEが消えました!

1stで同じようにやってくれていたら、1stで「LEAK」が聴けて、最後の平沢さんのプハー!が見れたかもしれないのに(笑)

なお、あのピエロは、声のみ平沢さんだったようですね(笑)今回配信でしっかり見たけど、やはりご面相は別人の感じがしましたし。

 

6曲目以降のセットリスト。

6 消えるTOPIA

7 幽霊列車

8 LEAK

この後、設定成功・書き換えで、改訂評議会は1stと同じほうを選択し、ZCONITEここでも消えましたね。

9 論理的同人の認知的別世界

つくづく、いまの僕自身に、あるいは日本人に通じる重要なことを、Σー12がおっしゃっている。

次の曲、BEACON、ここでも途中で止む。

10 TIMELINEの終わり

保護者登場。ルビイとシトリンの吐息(サックスの演奏)と透明なる声とで、”怒りと破壊の旋律”。これにより保護者が焼き払われた。

11 ASHURA CLOCK

本当のデュンク・アンが成立。嘘の自己像と世界像が消える。

この辺の”私”(平沢さん)の言葉は、インタラクティブライブの中では非常にわかりやすくて、つよく伝わってきます。

12 BEACON

すべてのZCONITEが消えました。

ルビイとシトリンが、25日、26日1stで言っていた、”なんか思い出してきた”の意味が、ここで明らかに。(笑)

13 記憶のBEACON

 

最後の平沢さんのあいさつ。”絵に描いたように順番に解決へ”向かったが、”決して我々がコントロールしているわけではない”とのこと。

 

僕は、26日1st Showで成功したかったですが、ともあれ、みなさんで解決できた達成感は他のいかなるインタラにも代えがたいものがあります(笑)

楽しい時間をありがとうございました。

 

(完)