依然コロナ禍にある2022年も、演劇はようやく2本レポートできるに過ぎませんが、今年最初は、今日観てきた、『海街diary』の感想です。
2015年に映画で観て以来、私は、7年ぶりに、今度は舞台で、この作品に接することができました。
"STRAYDOG"Produce
原作:吉田秋生
脚本・演出:森岡利行
東京公演(2022.3.30-4.3)
シアターサンモール
大阪公演(2022.4.9-4.10)
※ysheartが観た公演:2022年4月3日(土)12時の部
八木将康、ゆめ真音(A)、中本大賀(A)、寒川綾奈(B)、布施紀行、平井沙弥、高野渚
佐藤淳、細川陽平、中原和宏
ふじわらみほ、十勝令子、北川都喜子、吉田知生(A)、岡野圭吾、市川大希(B)、
長谷川幹(B)、綾部琥牙、田中直人(B)、廣岡 聖、後藤智香(B)、唯木美里(A)、
中田茉奈実、稲岡志織、稲葉ななこ、榑林里奈、鎌倉優奈、
上村文香、毛利昴人、水谷恵麻、松本 昴、佐藤 仁
生演奏:Les.R
恥ずかしいことに、私はあらすじを忘れてしまっていたのですが、パンフレットの森岡さんによるINTRODUCTIONを読み、フライヤーの裏に書いてある言葉、”どうしても途切れてしまう縁もあれば、思いがけず結ばれる縁もある。”だけを頼りに開演に臨みました。
父親の訃報を受けた3姉妹は、父親が残した”異母妹”を迎えることになり、4人で生活を送る中で家族の絆が変化していく物語。そうだった。しっかりしていて家族のまとめ役である長女・幸、奔放で年下の男に弱い次女・佳乃、マイペースな三女・千佳、そこに加わった、サッカー好きの中学生・浅野すず。
観ていくうちに、どの場面も思い出しました。
舞台の動線の使い方が優れていて、本当に広いグラウンドでサッカーをしているように見えるし、葬儀の場所、銀行(信用金庫)の窓口、縁側。海の見える街という風景が具体的に映し出されなくても、そのように見えてくるようでした。
カマドウマとか、看護師のアライさん、面白かったです(笑)
長女・幸は観ていて頼れる感じ、セリフをよどみなく話されるので、この人を軸に安心して物語を追って行ける気持ちになっていました。
私は、今回、後藤萌咲さんが目当てで観に来ました(4年前に特にAKBのライヴなどでよくお目にかかりました)が、KANOさん演じる、すずとの場面がほのぼのしていたり、活き活きしていたりで、よかったです。千穐楽の直前の部で、ここまで繰り返してきただけあって、アドリブもいろいろ出ていましたね。リピーターとして観に来ていれば、もっと可笑しさがわかっただろうなと少し悔やみました。
映画のハイライトのような扱いをされる場面=映画で広瀬すずさん演じるすずのバスタオル、向こう向いて前を開くシーンも、やっぱり再現されていました(笑)
2時間退屈することなくあっという間に過ぎて、カーテンコールの後は、芳本美代子さんが、ごあいさつ。アイドルだった”みっちょん”も、このような三姉妹の母親が自然に見える人になられたのだなあと、感慨を覚えます。
今回、ぎりぎりまで観に行こうか迷っていましたが、来て良かった。会場に入った時、ああこれは正解だ、と直感したのですが、その通りでした。
大阪公演の成功もお祈りしています。
東京公演おつかれさまでした。
追記1.
4月3日午後11時51分ツイート。
【シアターサンモール、#海街diary 千穐楽の前、12時の部。#後藤萌咲さん目当てで来ました。舞台の小さな空間なのに広々といろいろ見えてきた。3姉妹、浅野すず、そうだそれぞれこのような人たちだったと、映画の記憶も戻ってきた。みんな活き活きした舞台楽しく観た。東京公演おつかれさまでした。】
追記2.
さて、今回の『海街diary』が上演されることを知ったのは、3月5日に、やはり新宿にある劇場、紀伊國屋ホールで舞台を観た際にもらったフライヤーでした。
この1枚のフライヤーが、自分をサンモールへ導いたのです(笑)
紀伊國屋ホールで観たのは、
ぽこぽこクラブVol.8
「光垂れーる」
作・演出:三上陽永
出演:渡辺芳博、杉浦一輝、高橋玄太、坂本健、三上陽永、長尾純子、小山あずさ、辻捺々、木村望子、斉藤陽葵、湯浅くらら、橘律花、大沼百合子、外波山文明 他
3月5日午後11時23分ツイート。
【約4年ぶりに来た紀伊國屋ホール観劇3.5、19時。ぽこぽこクラブ「#光垂れーる 」。木村望子さんご出演の舞台観るのも久しぶり。村上夫妻面白かった(イイねの絵文字)。群像劇的な作品好きで入り込めた。死んでしまったことの意味に生きる意味と同じくらい光が当てられたのが印象的。橘律花さん可愛くパワー貰えた。】
このツイートでも書いていますが、今回の『海街diary』にしても、群像劇かそれに近い形で、ごく普通の生活や人々の変化を描いていく舞台というのは、自分にとっては、いちばん見やすくて自然にとけこんでいける時空間のように思っています。
コロナ禍から解放されて、このような良い演劇、舞台を観る機会が自分にもっと開かれていくといいなあと。