ysheartの長い旅

観戦、観劇、鑑賞をきっかけに感傷に浸る旅の記録です。

#61 アローン・アゲインをもう一度~ギルバート・オサリバン日本公演2022~

4月23日・24日の両日、新宿文化センターで行われた、ギルバート・オサリバン(Gilbert O'sullivan)のライブコンサート、私ysheartは、23日土曜日に観てきました。

 

ギルバート・オサリバン Japan Tour 2022

Just Gilbert~ジャスト ギルバート~

会場:新宿文化センター 大ホール

2022年4月23日(土)17時開場、18時開演

 

ギルバート・オサリバン50周年ブックレット(2017年)今回直筆サイン入り。

 

ご本人も1曲目の後のMCで仰った通り、今回の公演は、2018年以来の来日公演でした。

僕は、2018年にBillboard Live Tokyo(東京・六本木)で観て、自分の旧ブログ(昨年閉鎖)にレポートしましたが、当時の記憶でいちばん鮮明に残っているのは、ギルバートさんが、ギターをもってロックスター化して歌っていた姿でしたが、今度は、もっと全体をしっかりと心に留めようと思い、楽曲についても前回よりも、ライヴの前後で周到に予習した・・・はずでしたが。

その世代を青春期として過ごさなかった(まだ幼児だった)自分は、23日に演奏された計27曲すべてを頭のなかで再現できるまでに至らず、以下、セットリストにも数曲、実際の演奏曲でない情報があるかもしれないのでご容赦願います。

もっとも、ギルバートさんは、”Just Gilbert"ツアーをこの3月に、アメリカでも行ったので、その時のセットリストとほぼ同様であると思われます。

私がネット上で参考にしたのは、今年3月10日のボストン、14日のナッシュヴィルの2会場のリストです。例えば、ナッシュヴィルは、途中休憩前が、14曲目「クレア」、本編最後は27曲目「アローン・アゲイン」で、アンコールが「マトリモニー」「ゲット・ダウン」の2曲、計29曲で、今回の日本公演より2曲多いです。が、内容的には、私はそれと比べてもひけを全然とらない構成だったのでは、と観終わってさらにそう思います。

 

4月23日、新宿文化センターの催し。

 

以下、セットリストと感想です。共演は、ギタリストのビル・シャンリーさんです。

 

1.ジャニュアリー・ギット/January Git

 

歌詞の" I like Dublin best"のところを、" I like Tokyo best"と変えてくれていたように聞こえました。うれしいサービスです。会場は反応薄かったですが。

 

2.フレンド・オブ・マイン/A Friend of Mine

3.ホワット・キャン・アイ・ドゥ/What Can I Do

4.ナッシング・ライムド/Nothing Rhymed

5.ホエア・ディッド・ユー・ゴー・トゥ?/Where Did You Go To?

 

この曲は、最新作『Gilbert O'sullivan』(2018)からなのでわかりました(笑)

 

6.ミス・マイ・ラヴ・トゥデイ/Miss My Love Today

7.ホエア・ウッド・ウィ・ビー/Where Would We Be(Without Tea)

8.ウィ・ウィル/We Will

9.ノー・ヘッド・フォー・フィギュアズ・バット・ユアーズ/No Head for Figures But Yours

10.ダンセット・ドリームス・アンド45's/Dansette Dreams And 45's

11.ホエア・ピースフル・ウォータース・フロウ/Where Peaceful Waters Flow

12.ウー・ワッカ・ドゥー・ワッカ・デイ/Ooh Wakka Doo Wakka Day

13.クレア/Clair

14.トゥモロウ・トゥデイ/Tomorrow Today

 

これは来日前の動画でも、ギルバートさんが予告していらしたように、日本の為に演奏してくれた曲で、アメリカツアーには入っていませんね。もともと、1977年作『サウスポー』収録曲でしたが、1992年、日本のドラマ『あの日の僕をさがして』主題歌でヒットしました。あの頃のことは覚えていますよ、僕が地獄のようなアイデンティティクライシスの迷走期にいた頃です。ドラマは落ち着いたトーンで少し癒されたのですが、この曲の起用は大きな意義があったと思います。あと、ギルバート・オサリバンの久しぶりのヒットが、洋楽好きの僕にもうれしく感じられたものでした。

 

ここで、ギルバートさんとビルさんが肩を組んで客席にあいさつしたので、すわアンコールの手拍子を!と思いきや、休憩に入ったのでした(・_・)(笑)

 

そして後半。

 

15.君との想い出/At the Very Mention of Your Name

16.さよならが言えない/No Matter How I Try

17.アット・ジ・エンド・オブ・ザ・デイ/At the End of the Day

 

これも、最新作からで、オープニング曲なので、よく聴きます(笑)

この曲のメロディなど、70年代前半のデビュー時にして最初の全盛期のギルバートさんが還ってきた感があって良いと思っています。

 

18.愛のジェット便/I Don't Love You But I Think I Like You

19.オリバー・ツイストのように/Can't Get Enough of You

20.ホワイ・オー・ホワイ・オー・ホワイ/Why, Oh Why, Oh Why

21.ザ・セイム・ザ・ホール・ワールド・オーヴァー/The Same the Whole World Over

22.アウト・オブ・ザ・クエスチョン/Out of the Question

23.アイル・ネヴァー・ラヴ・アゲイン/I'll Never Love Again

24.そよ風にキッス/What's in a Kiss

25.アローン・アゲイン/Alone Again(Naturally)

 

ギルバート・オサリバンといえば、一般大衆的には、まず、この曲!

僕にとっても、最初は、この曲で知りました。何かのラジオCMでバックに流れていたのを聞いたのがいちばん記憶の最初としてはっきりした記憶です。80年代後半、洋楽に開眼してから、僕は過去にさかのぼって洋楽のヒット曲を調べ出して、その時、僕のラジオの記憶と、この楽曲名とが一致したのです。1972年全米1位!

 

ところで、23日土曜日の公演で、この曲の演奏2コーラス目だったか、ギルバートさんが咳き込んでそれでもどうにか終わりまで歌い切ったのですが、会場のお客さんが拍手しているのを、いえいえと言うように手を左右に振って、もう一度、何と再びフルコーラスで歌って演奏してくださいました。テイク2←では、私たちお客さんが”アローン・アゲインナチュラリー”をみんなで唱和して、よい締めになりました。

 

まさに、アローン・アゲイン・アゲイン(もう一度)。

自殺を考えたり、両親が亡くなって独りになったりと、寂しさ虚しさが描かれた歌詞ですが、このメロディで、歌詞を知った時の気分が不思議な昇華のされ方をします。しかし、なんだか、コロナ禍のいま、そして人生の後半に向かう今、よく心に留めおきたい歌です。

 

そして、ビルさんと並んであいさつの後、ほぼアンコール的な位置づけでしょうね、そのまま2曲演奏となりました。

 

26.マトリモニー/Matrimony

27.ゲット・ダウン/Get Down

 

20時10分ごろ終演。すぱっと鍵盤から両手を離して、たたっとあいさつ。この方独特のどこかせっかちな瞬間の動作で(過去のデビュー時のビデオ見ると本当に個性の強さ感じます)、ビルさんと共に退場。私のギルバート・オサリバンライヴ体験は、これで無事に終わりました。

 

コロナ禍の2022年最初の洋楽ライブ、よいスタートと思いたい。

 

実は今日24日もお昼過ぎまで当日券行こうか悩んだのですが、今日は自分のysheart王宮の予算が底をついており、また、体調も心配だったので、見合わせました。

ギルバート・オサリバンさん、何と今年7月にもニューアルバム登場の予定とのこと!

それを楽しみにしていますし、携えた次の来日を期待して待ちたいと思います。

 

個性的な衣装多いですが、この黒の衣装はいちばんかっこいいと思う。

 

☆☆

【演奏された曲の収録アルバム】

1st『ヒムセルフ』(1971)・・・1、3、4、8、16、25、26

2nd『バック・トゥ・フロント』(1972)・・・12、13、22

3rd『アイム・ア・ライター・ナット・ア・ファイター』(1973)・・・2、11、20、27

5th『サウスポー』(1977)・・・6、14!

6th『オフ・センター』(1980)・・・19、24

9th『イン・ザ・キー・オブ・G』(1990)・・・15

16th『ギルバートヴィル』(2011)・・・7

18th『ギルバート・オサリバン』(2018)・・・5、9、10、17、21、23

※18は、シングルヒット、オリジナルアルバム未収録。ベストアルバムに収録か。

※リマスター盤にボーナストラックとして収録したものもあります。オリジナル盤には入っていない場合、ベスト盤などお探しください。

☆☆

 

余談ですが、僕がギルバート・オサリバンのいでたちでいちばん印象に残っているのは、その時折せっかちのような動作、そしてその髪型なんですが(若い時も今世紀も)。ブックレット中で、コメディアンのハリー・ヒル氏もとても興味深い髪と言っています。思うことは同じなんですかね。

 

そのようなわけで、2022年の洋楽ライブレポート第1弾は、ギルバート・オサリバンになりました。洋楽ライヴの現場は、2021年のキング・クリムゾン以来でしたが、順調なスタート!

内容の充実したものになってよかったです。