ysheartの長い旅

観戦、観劇、鑑賞をきっかけに感傷に浸る旅の記録です。

#88 ブライアン・アダムス来日公演!ysheart雪辱の武道館

先週3月7日は、カナダ出身のロックシンガー、ブライアン・アダムス(Bryan Adams)の日本武道館公演。これが、ysheart、2023年最初の洋楽ライヴ参加です!

考えに考えぬいて、当日決断して行ってきました。

 

2023年は、4月まで洋楽大物アーティストの来日ラッシュ。チケット代も、1万円超えが続く異常さ極まり、とても予算が追いつかないので、強豪の競合する中から、本当にいま観ておきたい!いまじゃないといけない!そういうものを厳選せざるを得ませんでした。その第1弾ですが、実は、ブライアン・アダムスの武道館公演、私には因縁の場でした。それを払しょくし、傷を回復するためにやってきたのです・・・。

 

BRYAN ADAMS

SO HAPPY IT HURTS LIVE '23

主催:J-WAVE/企画・招聘・制作:ウドー音楽事務所

 

日本武道館

2023年3月7日(火)18時開場/19時開演

 

 

3月7日、日本武道館ブライアン・アダムス。開演45分前、物販長い列。

 

ブライアンは、これまで何度も来日して武道館で公演しており、21世紀に入ってからでも、2005年、2012年、2017年、そして今回。

私の初ブライアンにして、初ブライアン・アット・武道館は、2005年4月23日

この日体験した虚しい気持ちから、自分はブライアンのライブ(あるいはその音楽を遠ざけて、回避していたのです。その話から、します。

 

当時は久しぶりに東京に移り住んで間もない時で、洋楽のライブを東京の居住地から東京の会場で観に来られることに静かな感動を覚えながら、武道館に入場しました。

席の番号を見て座り、近くでは英国系?の西洋人男性とその彼女が会話して座っており、隣に単身で30代くらいの男がいました。開演時間が迫ったところで、突然、その西洋人男性が笑い声です・み・ま・せーんと私に声をかけるので、何かと思ったら、私の座った席は、その彼女の席だったようでした。

武道館は、番号だけでなく、東西南北の方角を示す語、列を示すアルファベット、数字の合わさったものが席番号だと認識しなければ、私のように間違えてしまいます。私は誤って、アルファベットと数字だけ見ていたのです。

そこへ隣の30代男が、西洋人男性に加勢する勢いで、そうですこの番号ですよ、と大きな声をあげる。私はすみません間違えましたと言って、あわててその場を去りました。

 

私が悪いとはいえ、座った時点からわりと時間がたっていたのにもかかわらず声を掛けず、自分の席を離れて会話し続けているというのも、結局自分のことしか考えていないではないか、それに隣の男も鬼の首をとったかのように同調する。正直なところ、この3人には怒りすら覚えました。

それでも、もとの楽しい気持ちに切り替えて、自分の正しい席で観賞したのですが、今度は、ライブ全体の雰囲気でしたよ。

自分が懐かしいと思っていた音楽ではなく、どこか別の世界の音楽、僕が知らないだけで僕以外の大勢の客はみな、暗黙裡にすべての曲に当然のように呼応している(僕は90年代初期までしか知らない)。いちばん辛かったのは、「18 til i die」でお客さんみんなが声をそろえた場面で、僕はその曲自体知らなかったのです。

この2005年4月23日は、客の女性をひとりステージに上げて一緒に歌ったくだりがあったのですが、あれも自分には、心地のいいものではありませんでした。どこかその時の自分が、会場のお客さんとすべてにおいて乖離しているような気がしたからです。飲み会で孤立した時の心境にも似ていました。

 

もっとも、その時なりに気持ちを良い方向に維持するよう努めて、キーホルダーなど買って(2004年アルバム『ルーム・サービス』関連)帰りましたが、それ以来、洋楽の話題をブログに書いても、ブライアンの音楽は避けていたし、ライブも、この時2005年4月以来行く気持ちにはならないまま今日に至った次第です。

 

しかし、それでも、僕が洋楽に開眼した1980年代中期から後期のうちで、ブライアン・アダムスという人と音楽は、自分の洋楽解釈や当時の生き方にとって不可欠の存在であった訳なので、いつかどこかで、この封鎖状態を自分で解除せねばなるまい、そう思っていました。そこからの、今日、2023年3月7日だったのです。

今でなければと決断して、仕事帰り、九段下に足を運びました。

 

ライブのセットリスト含めた具体的なレポートの前に長文ですみませんが、これは今回のライブに当たって、自分の重要な部分なので、先に書きました。

 

2階席へ向かう。

 

それでは、お待たせしました。

私の席は、2階席の北西スタンドですから(あれ以来、武道館の方位で間違えません)、ほとんど真横で、しかしスクリーン以外は、そのままの姿勢で観られる位置です。2015年東京ドームのポール・マッカートニー公演での見切り席に比べればどうってことはありません(笑)

 

19時10分ごろ開演。

 

1. Kick Ass

2. Can't Stop This Thing We Started/愛は止められない

3. Somebody/サムバディ

 

ブライアンのMC。武道館での公演は、25回目だとのこと。後で調べたら、たしかに、1985年10月30日が1回目で、それ以来コンスタントに来てくれていたのです。

3曲目に、「サムバディ」が来て、大阪公演では、「ワン・ナイト・ラヴ・アフェアー」だったので、「ワン・ナイト・・」大好きな僕は少し心配(「サムバディ」はもちろん好きですが)ですが、MCで次の曲紹介!

 

4. One Night Love Affair/ワン・ナイト・ラヴ・アフェアー

 

この曲は、1985年にFMラジオで聴いて(当時は洋楽疎かった)、とても気に入りました。ライブで聴けてこれが今回最初の大きな感動でした。

 

5. Shine A Light/シャイン・ア・ライト

6. Heaven/ヘヴン

7. Go Down Rockin'/ゴー・ダウン・ロッキン

 

6曲目「ヘヴン」は会場の合唱パートもありましたが、1985年全米1位となったバラードで、当時の少年ハートは、こんな良い曲があるなんて!と真剣にそう感じたものでした(笑)ブライアンの若いハスキーボイスと透明感ある鍵盤とギターの響きが、まぶしい80年代の夕方の太陽を思わせるのですよ。

そしてMCで、次の曲のゲストを紹介・・・!と思わせて、「ティナはここには、いません」と(笑)ティナ・ターナーとのデュエット曲(1985年全米15位)が来ます。

 

8. It's Only Love/イッツ・オンリー・ラヴ

9. Kids Wanna Rock/キッズ・ワナ・ロック

 

大ヒット作『レックレス』からの2曲でした。「キッズ・ワナ・ロック」は、シングル曲でないのに、忘れないナンバーですね。

 

ここでのMCだったか、日本に来て、新幹線に乗ったが、その時の曲を、ということで、キーボードのギャリーさんが、弾いてくれたのが、聞き覚えのあるあの曲(笑)

 

東北新幹線が、まもなく終点の東京に着く時、車内に流れるあの曲です。

しかも、2回続けて演奏してくれました(笑)

 

10. When You Love Someone

 

11. You Belong to Me/ユー・ビロング・トゥ・ミー

12. I've Been Lookng for You

13. The Only Thing That Looks Good on Me Is You/君しか見えない

 

14. Here I Am/ヒア・アイ・アム

15. When You're Gone/ホエン・ユーアー・ゴーン

16. (Everything I Do)I Do It for You/アイ・ドゥ・イット・フォー・ユー

17. Back to You

18. 18 til I Die/18・ティル・アイ・ダイ

19. Summer of '69/想い出のサマー

 

16曲目は、1991年全米で7週連続1位という、ファンとしては本当にうれしい大ヒットとなったバラード。映画『ロビンフッド』(ケビン・コスナー主演、ショーン・コネリーも出演!)の曲。

この曲には特別な感慨もありますが、音楽的な詳細は、僕のもう一つのブログで、やります。

 

18曲目、因縁の「18 Til I Die」、みんなと辛うじて合わせられました(笑)

僕は自分のライブラリーに、今でも、90年代半ば以降のブライアンのスタジオアルバムCDがないので、その時代以降の曲では緊張が走るのですが、この曲ぐらいでしたね。あとは、自分が知っている曲では、英語の歌詞を思い出すとき、知ってるぞのプライドで頑張ってその時緊張しましたけども(笑)

 

19曲目は、初めてブライアンをリアルタイムで知った曲。欠かせない、パワフルかつメロディアスで、明るいのにどこか切ない。

 

さて、ここからは、会場からのリクエスト曲が続きます。まず、ブライアンが、世界的なヒットを出す先駆けとなった3rdアルバムから。

 

20. This Time/ディス・タイム

21. Into the Fire/イントゥ・ザ・ファイアー

22. A Night to Remember/レッツ・メイク・ア・ナイト・トゥ・リメンバー

23. Take Me Back/テイク・ミー・バック

 

21曲目は、うれしい、1987年当時、内容の重さでいまひとつ評価が上がらなかった印象のある5thアルバムからタイトルトラック。僕は当時結構聴きました。だから、歌い出しで、叫ぶように入ってすぐに、待て、と歌うのを止めて、声を出してキーを確認していたのが面白かったです(笑)

※『イントゥ・ザ・ファイアー』からの曲としては、仙台・大阪・名古屋など今回の来日公演のセットリストの情報を見ると、「ハーツ・オン・ファイアー」「ヒート・オブ・ザ・ナイト」などを演奏した会場もあったようですね。「ヒート・オブ・ザ・ナイト」は聴いてみたかったなあと思います。

 

24. Cuts Like a Knife/カッツ・ライク・ア・ナイフ

 

25. So Happy It Hurts

26. Run to You/ラン・トゥ・ユー

 

26曲目は、『レックレス』から1984年秋に、第1弾シングルとして出たかっこいい曲。

これにて、バンドとの演奏(実質、本編)は終了。

ここまで度々、曲が終わるとメンバーみんなで、サイマルテーニアスにお辞儀するのが、丁寧でよろしかったですが、よい演奏をありがとう。

ギターは、キース・スコット。ドラムス、ミッキー・カリー。この二人は、『レックレス』のころ、すでにいた人たち。

ベース、ソル・ウォーカー。ピアノとキーボード、ギャリー・ブレイト。

 

そして、ブライアンが、アコースティックギターを抱えて残り、そして2曲演奏。

 

27. Straight From the Heart/フロム・ザ・ハート

28. All for Love/オール・フォー・ラヴ

 

21時10分ごろ終演。2時間あっという間!

それが素晴らしかったし、何よりも、ブライアン・アダムスが全盛期と変わらず、発声も歌唱も良くて、風貌も衰えておらず(すみません)安心できました。

 

プログラム、2500円。

 

バラード調の曲になると、会場の多くが、スマホのライトをONにして、会場が星空のようになりました。私もその一人に加わって、スマホをかざしました。

 

こういうのは、2005年にはなくて、当時はスマホも普及していませんでしたから、まさに、今の時代ならではだと、思います。

時代が新しくなれば、新しい道具や発想があってこその演出がかなうので、それによって、古い記憶と置き換えたり、更新ができるのだなあ。

 

会場に着いたときに長蛇の列で断念した物販(と言っても高すぎるので、今回はプログラム2500円だけが目当てでしたが)に、帰りに寄ってから、武道館を後にしました。

 

徐々に、以前のように、ブライアン・アダムスのCDを聴いていこう。

 

☆☆☆☆☆

収録アルバム

最新アルバム(15th)『So Happy It Hurts』(2022)・・・1, 12, 25

3rd『Cuts Like a Knife』/カッツ・ライク・ア・ナイフ(1983)・・・20, 23, 24, 27

4th『Reckless』/レックレス(1984)・・・3, 4, 6, 8, 9, 19, 26

5th『Into the Fire』/イントゥ・ザ・ファイアー(1987)・・・21

6th『Waiking Up the Neighbours』/ウェイキング・アップ・ザ・ネイバーズ(1991)・・・2, 16

Original motion picture soundtrack『The Three Musketeers』/三銃士(1993)・・・28

7th『18 Til I Die』/18・ティル・アイ・ダイ(1996)・・・13, 18, 22

MTV unplugged』(1997)・・・10, 17

8th『On a Day Like Today』/デイ・ライク・トゥデイ(1998)・・・15

9thサウンドトラック アニメ映画『Spirit:Stallion of the Cimarron』/スピリット:スタリオン・オブ・ザ・シマロン』(2002)・・・14

13th『Get Up』/ゲット・アップ(2015)・・・7, 11

14th『Shine A Light』/シャイン・ア・ライト(2019)・・・5

☆☆☆☆☆

 

プログラムは輸入盤で、《SO HAPPY IT HURTS TOUR 22/23》とある。

 

僕は帰ってきました。

そして、ブライアンのライヴと音楽の記憶が希望ある更新を果たしました。

あれから、18年の時を経て、雪辱を果たした気分です。

次の来日からも、今回以上に自分が純粋に音楽が好きだという気持ちで、観に行けます。ブライアン・アダムスの来日公演に感謝。

 

ysheartの長い旅の看板と自負している、洋楽ライブレポート。

今回、なかなかすべての来日公演に対応できない財政状況ですが、できる範囲で進みます。当ブログをよろしくお願いいたします。

 

(つづく)