待望の公開!映画『シン・仮面ライダー』、19日(日)に観てきました。
前日から一転、好天に恵まれ、JR高崎線の車窓から埼玉の風景を堪能しながら、鴻巣(こうのす)へ。駅直結の「こうのすシネマ」まで行ったのです、東京からわざわざ。
15時10分の回上映後、ゲストビジットがあり、メインキャストの一人、緑川ルリ子を演じた浜辺美波さんが現れました。
浜辺さんは、劇中の機械的で無機質な(綾波レイ的な)演技とは違って、普通に和やかにお話しされる感じで、キャストのお話をなさいました。いちばん印象に残ったのは、カマキリカメレオン(KK)のシーンで、(私はこの方が、かの方だとは気がつきませんでしたよ)その場面一発で、要するに迫真の演技で自分も本当に呻き声が出せたくらいで、という趣旨でした。
カマキリ種の怪人と、死神カメレオンと、ゲルショッカー的な合成怪人のモチーフですね、あの怪人は。死神グループとか言っているのは、ショッカーの2番目の幹部、死神博士を連想させます。
浜辺さんの話で、例えば、安田顕さん、仲村トオルさんらがどの役だったかもわかりました。浜辺さんご自身も、後でわかった、という人もいらしたようです。
ゲストビジットの話は、新宿の舞台あいさつに行けず悔しいのでここで終わり。ここから私の感想です。
私のように、昭和のテレビ放送を知っている往年のライダーファンなら、劇中の随所に、当時のライダーや他の特撮へのオマージュがあることに気づかされる楽しさもありました。
ライダーに関して言えば、本郷猛と緑川ルリ子を軸に描かれているのは、まずうれしいことです。仮面ライダーシリーズ最初にして最も美しいヒロインであるルリ子は、昭和の本編でもっと活躍してほしかった人です(最近、YouTube動画にて、本郷欠席中のヤモゲラス回で主役の活躍をされたのを観て感動しましたが)。
柄本佑さんは、一文字隼人(ライダー2号)の初登場時のキャラクターを再現し深めてくれました。本郷と対照的なキャラ、予想を超えて良かったです。「お見せしよう」のセリフ再来!
ライダー対決の後、左脚が曲がるほどの重傷を負ったシーンは、昭和当時の藤岡さんのバイク事故をほうふつさせていますね。
また、ライダー以外の特撮に関連して言えば、ハチオーグ(西野七瀬さん演じる)だったか、”ショッカーに生まれし者はショッカーに還る”っていうのは、『人造人間キカイダー』プロフェッサー・ギルの”ダーク・・・”のオマージュであろうし、ショッカーにいる人型ロボット?のKは、『ロボット刑事』のKを思い出し・・。
昭和特撮賛美だな(笑)
そして、人間に近い姿の1号ライダーは、昭和でもそうだけど、とてもいいですね。特に今回は、コートまで羽織ってる。
また、怪人名も、「○○男」「○○女」が、「○○オーグ」と、音感が近いのも良いし、”オーグ”org→オルグ、という言葉は、組織の構成員、に近い意味がある語なので、人を表す表現として違和感がないのがいいです。
こういった面白い印象がある一方で、昭和とは違った、ああ、平成後期から令和ならではだな、という、自分の感覚とは離れた要素もあって、
映画の最初から、エヴァンゲリオンぽいのは、庵野さんだからなのかな。ルリ子の話し方や言葉選びが、綾波さん的なだけでなく、池松壮亮さん演じる本郷も、かすかに碇シンジに見えたりもする。それはいいとしても、後半、ルリ子が服を着替える前で喚くシーンは、人間的過ぎて、これがルリ子の変化なのか、ルリ子の人間的な一面を表現したかったのか、わかりづらかったところです。
また、オーグたちですが、最近の(仮面ライダー、ウルトラマン問わず)悪役のセリフにも共通した傾向で、特に戦闘中どうしてあんなにロジカルにしゃべり続けるのか、得意げで嫌味な口調になるのか、あれがどうも自分は違和感を覚えるのですよ。何なのかな、あれ。本当にすまないけど、僕は嫌なんですよ。
話それるけど、YouTube動画のウルトラマンデッカーの宣伝で、ギベルスの声とか話し方にも、同じことを思うんです。先日、悪役の声で有名な飯塚昭三さんが亡くなられましたが、あのような声や、ショッカー首領の銭形の納谷悟朗さんのような声って最近、ありますかね。そういった声や話し方への喪失感が、自分の中にあるせいかもしれませんがね。
それと、今回の作品で、ルリ子も本郷までも!結末はあのようになるのですが、主人公の仮面ライダーも・・・というのは、最近の製作者たちの考え方として、やはり彼らを生かし続けることはあり得ないのでしょうかね?
彼ら、というのは、昨年のネット動画での『仮面ライダーBLACK SUN』における主役も含めてイメージしているのですが、本人は退場するほかないのかな。
『シン仮面ライダー』でも、2号ライダーに、これからが”継承”されていきますが、現時点の主力たる層自体が生き延びることにはもはや絶望していて、解決を次の世代に託すほかない、という世界線というのが延々と続く、そういうイメージが自分にはあります。
いまの日本社会がまさにこういう事態かもしれませんが。私たちは明確な答えを示さないまま時代の不条理によって殺されて、次の世代につなぐほかないのでしょうか。
そして最後に、
先に述べた過去作品のオマージュ、とか、昭和を知る人の懐かしい想い、とか、そういったものとして、最初のライダーの歌や、BGMが聞けるのは、うれしいことですが、令和の今の作品として本作を観る若い世代にとって、これらの音楽はどう聞こえるのか、興味はあります。自然に作品に溶け込んで違和感なく響いているのか。とってつけたように、昔の音楽がはさんである、というように聞こえるのか。
以上、まだ1回しか観ていない映画の感想でいろいろ可能な限りで好きなように書きました。
そういえば、シンウルトラマンでもたしか出演されていた、竹野内豊さんですが、本郷たちと接触する場面で、なんかおやっさんみたいで信じたくなる存在だなと思って観ていましたが、案の定、立花と滝は、仮面ライダーに欠かせなかったですね(笑)
まあ、良いエンディングだったと思います。
追記。
鴻巣のこの場所の劇場、名前は当時と変わったのか、調べていないので忘れたままですが、ここへは、以前、一度、来たことがあります。
旧ブログには書いたのですが、あの時は、『20世紀少年』の3部作を観ました。それ以来だから、すごく久しぶりになってしまいました。
埼玉のこともいろいろ思い出しました。
追記2
仮面ライダーの映画作品を映画館で観たのは、昨年12月29日の新宿バルト9以来でした。
『仮面ライダーギーツ×リバイス』上映後、『龍騎』サイドの須賀さん、松田さん、萩野さんそれから制作側のお二人が登壇されて、楽しいトーク(YouTube動画でも後であらためて観ました)。
萩野崇さん(王蛇)相変わらず面白い(笑)松田さんの安定感、須賀さんの、あの役柄とは違った落ち着き、みんな、男性の、良い年の重ね方をなさっていますね。
ラストで、鏡を前に、真司と蓮とが笑顔で別れるシーンは、確かに清々しく感慨深い場面でした。
それから、ひきつづき、20年ぶりに、映画『EPISODE FINAL』を観て、いろいろなことを思い出しましたよ。
そして、いま、YouTubeでは、『仮面ライダー龍騎』に続いて、『仮面ライダー555(ファイズ)』が配信されています。いま、3月21日現在、第8話まで(小倉一郎さんが、めずらしく悪役で存在感を見せています)。
『ファイズ』は、リアルタイムで細かくチェックして最後まで観た、僕の人生で最後の特撮テレビシリーズです。あの後、納得しながら根気よく見続けて、ああよかったと思えるテレビシリーズは存在しません。
芳賀優里亜さんも可愛い。『キバ』放送のころだったか、イベントでチェキを撮らせていただいてお話したことがあります。懐かしくよい思い出です。
では、また。よい春分の日の時間をお過ごしください。私は今日、若干、持ち帰った仕事に追われますが、お休みです。