ysheartの長い旅

観戦、観劇、鑑賞をきっかけに感傷に浸る旅の記録です。

#16 2020年11月の本田美奈子.ミュージアム

11月6日は、歌手・舞台女優・声楽家だった本田美奈子.さんの命日で、2005年に亡くなってから15年が過ぎました。今年はなぜか行こうという強い気持ちが急に自分を動かしたようです。CDを1枚、通して聴いてからすぐに、11月度特別開館への入場を予約して、きょう8日の11時の部に行きました。

 

f:id:ystanza:20201108180315j:plain

11月度の特別開館は、コロナ対策に努められていた。

 

コロナ禍ゆえに、消毒、検温のうえで入場、朝ということもあってか、人数制限があっても満席になるほどではなくて、心穏やかに見学することができました。

 

f:id:ystanza:20201108180458j:plain

中に入ると正面のパネルで颯爽と迎えてくれる。

 

美奈子さんが迎えてくださった感じのするパネル。

真ん中に展示されている衣装が目に留まりました。ヴェトナム・ハノイでこのようなイベントにも参加されたのですね。

 

f:id:ystanza:20201108180620j:plain

ハノイレーニン公園でのファッションイベントでの衣装らしい。

 

没後15年の間、時間があったのに、まだ気づかされること、知らなかった情報が加わることがあるので、ここへ何度も足を運ぶのは、美奈子さんのことをもっと知りたい僕のような人にとっても有意義なことです。

 

12時から20分間のフィルムコンサートは、後で調べたところによると、2005年12月24日、フジテレビ系で放送された「Music Fair」の本田美奈子追悼特集からのものでした。

 

1.TIME TO SAY GOODBYE    ・・・ 本田美奈子上松美香Lynx【2001年10月6日 34歳】

2.Hey Paula ・・・ 本田美奈子さだまさし【1986年5月11日放送分 18歳】

3.1986年のマリリン ・・・ 本田美奈子/日野皓正/ハイファイセット【1987年9月6日 20歳】

4.AQUARIUS ・・・ 本田美奈子久野綾希子島田歌穂【1992年9月6日 25歳】

5.私のお気に入り ・・・ 本田美奈子大地真央【2003年8月23日 36歳】

6.聖女たちのララバイ ・・・ 本田美奈子太田裕美岩崎宏美【1994年9月18日 27歳】

7.YOU ARE EVERYTHING ・・・ 本田美奈子岩崎宏美SING LIKE TALKING【1996年9月1日 29歳】

8.つばさ ・・・ 本田美奈子【1994年9月18日 27歳】

9.命をあげよう(「ミス・サイゴン」より)・・・ 本田美奈子【1992年9月6日 25歳】

 

美奈子さんのフィルムコンサートがあるたびに、ああ、こういう歌も歌っていたのか、このようなコラボもあったのかと新鮮な気持ちになれるのは、自分がたるんでいるせいだとはいえ、うれしいことです。

 

f:id:ystanza:20201108181053j:plain

レ・ミゼラブルのポスター

 

会場内に、ミュージカルの『レ・ミゼラブル』のポスターがありました。

美奈子さんは、1992年の『ミス・サイゴン』を皮切りに、『屋根の上のバイオリン弾き』(1994~)、『王様と私』(1996~)、『レ・ミゼラブル』(1997~)、『ひめゆり』(2002~)、『十二夜』(2003)、『クラウディア』(2004)といったミュージカル作品に出演しました。そのうちの1作で、エポニーヌ役のWキャストは島田歌穂さんでした。

 

f:id:ystanza:20201108181129j:plain

本田美奈子さんのこの写真も初めて見た(かもしれない)

 

短い時間でしたが、来て良かったです。少し荒んだ心が元通りに回復したように思います。曇りがちな空も、朝霞では、やや青空も見えました。

2019年7月31日には私はここに来たはずですが、それ以来の来館だったかもしれません。1年以上空いてしまいました。

 

いろいろ書きたいこともありますが、今回はここまでです。これからは、もう少し間隔を狭めて美奈子さんについて、思うところ、もっと言及していきたいと思っています。では、また。

#15 アースガーデンのSalyu、そして15年前の記憶

11月に入って第1日。Twitterで告知を見て急遽、今日の午後の予定を入れて、代々木公園に来ました。〈earth garden”秋”2020〉という催しで、毎年春のEARTH DAYのイベントと連動したもののようです。僕は、このイベントについて自分が知っていたかどうか、わかりません(笑)

 

f:id:ystanza:20201101235358j:plain

代々木公園、earth gardenのゲート。秋の夕暮れが近づく。

 

ステージに登場したミュージシャンたちのうちで、私が観たのは、かりゆし58(13字35分以降、演奏。僕はその少し後にエリア内に入場した)と、15時5分からのSalyuでした。SalyuのMCによると、今回、コロナ禍の事情で、春のイベントは中止となり、代々木公園でのイベントは、この"秋”編が第一歩とのことでした。

 

f:id:ystanza:20201101235459j:plain

音楽のステージ。いつもの場所です。

 

この代々木公園(NHKホールの裏の区域)でのライヴイベントといえば、最近では、ベトナムフェスティヴァルで来たことがあります(旧ブログでも書いたと思います)。そういったときでも、今回のように、オーガニックだったり、地元の簡単な料理だったりと、野外ならではのフード系の出店の雰囲気を味わえます。僕は、こういう時、わりとお金を落とさないので、都合の良い客とは言えません(笑)自分の経済事情を踏まえて手堅く行きます。特に、今回は、ここに来ることに決めたのは、つい昨日の事で、準備ができていなかったこともあります。

 

f:id:ystanza:20201101235547j:plain

11月1日のライヴの出演者たち。右上は佐藤タイジさん。

 

ともかく、コロナをめぐる情勢下でのメイン会場への入場は、消毒液あり、検温のシステムあり(テレビに自分を映すと、画面でこちらの顔を検知し、検温して、36度1分とか表示されます。すごい文明ですね←)。スマホの画面のチケットを見せて、リストバンドを受け取って。それから今回は、厚生労働省のアプリ、COCOAのインストールを求められまして。あの話題のアプリです。周辺にコロナ陽性の人や濃厚接触者がいないか等探知できるとは。僕は、昨晩、インストールしておきましたので大丈夫です。

 

f:id:ystanza:20201101235647j:plain

Salyuの凛々しい姿。

 

今日は11月らしい肌寒さを覚える日和で、空も曇りがちで太陽は薄い光りを空に浮かべるだけ。Salyu曰く、秋の外側、冬に近づいていて、そんな寒い中、お越しくださって聴いていただいて感謝します、と。

 

今回のセットリストは、配信見た人もいてとうにご存じかと思いますが、

 

1.悲しみを越えていく色

2.新しいYES

3.VALON-Ⅰ

4.ミグラトリ―(羊毛とおはなの曲のカヴァー)

5.(新作)※Salyuによれば、(未完成だが)構成はできているとのこと。

6.halfway

7.to U

 

Salyuさんは、earth gardenという名のイベントを映し出すようなおしゃれなセンスの服装をしていらっしゃいました。

 

ところで、Salyuさんといえば、僕が初めて生の演奏を間近で見たのも、この代々木公園でした。すでに15年前のことです。Salyuを知って、春が訪れる頃のことだったと思います。

 

f:id:ystanza:20201101235752j:plain

音楽のイベントは、re:LIVE東京fesという名称のようです。

 

コロナという尋常でない災厄に見舞われた令和2年でしたが、良い1年だったと言える可能性があるのかな、あと2か月、早いものですね。

 

かりゆしのボーカルの人も最後のMCで言ってたな。一日一日楽しいと思えて、楽しい日が多いほどその年は良かったと思えるのだろう、という趣旨だったと記憶しております。かりゆし58は、よく知りませんが、最後の曲は軽やかで音が豊かでよかったです。

 

なお、今回、僕は、この後、神田明神に用事があったので(笑)、外出が多いのはいまちょっと気になるので、このearth gardenのライヴは、この2組しか観ませんでした。しかし、ユカリサさん、加藤登紀子さん、佐藤タイジさんらも良いコンサートだったことを想像します。

 

では、また。

#14 劇場版・鬼滅の刃・無限列車編

週末、10月24日、新宿の映画館へ『鬼滅の刃』を観てきました。

 

劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』。僕は仕事柄、若い人たちとかかわることが多いので、いつも現時点でいちばん新しいアニメ、ドラマ、タレント、音楽などポップカルチャーの話題から無縁ではいられないという宿命を背負っております。しかし、何が流行っているのか知っているだけでなく、自分が興味を持った作品はできるだけ観たり読んだりしたいと思っており、2020年は、アニメ部門では、とりあえずこれは押さえなくてはと思いました(笑)

 

f:id:ystanza:20201024215359j:plain

新宿の映画館。『鬼滅の刃』上映中。

 

私ysheartの歴史を知っている人なら、私が年月を経てもアニメや特撮など相変わらず吸収することに違和感は覚えないとは思いますが、さすがに、そんな私とて興味が持てないものは吸収できません。しかし、この『鬼滅の刃』は、応援しているアイドルの百晴何某らがSNSで話題にしたことがあって、それ以来、社会における話題の高まりとともに、これは自分も抵抗なく見れるほうの作品だと予測できたので、劇場版公開となっていよいよ、映画館に行く機会をうかがっていたのです。そういう言い方をすると大げさですが、ともかく今日になりました。

自分としては、全然知らない作品の映画版ということで、時間があれば、まず、何に手を付けるかといえば、コミックのはずでした。が、劇場版を見たいと思った今を逃すと多分、なかなか観に行けずに結局見逃すだろうと、これまでのパターンから予想できたので、コミックは後回しにして、いきなり、映画から入ることに決めました。

予備知識は、ネット上のどこかのページ(公式サイトはなぜかほとんど見ず)から、あらすじと、登場人物(キャラクター)、その相関図だけを、いま理解できる範囲で押さえてから今日の午前中、意志が揺るがないように、朝早い時間帯で観賞しました。

 

 

【おもな登場人物】( )内は声優

竈門炭治郎 (花江夏樹)/竈門禰豆子(鬼頭明里)※「ね」はしめす扁/我妻善逸(下野紘)/嘴平伊之助(松岡禎丞)/煉獄杏寿郎(日野聡

 

 

観た感想は、ストーリーに興味を持って入って行けて、迫力のある戦闘シーンと感動で少し涙が出そうなシーンとが折り重なって、2時間あっという間に過ぎた、という感じでした。すごく面白かったです

今後、コミックに手を伸ばすことはあり得ますよ。なぜなら、この映画を観たことで、はっきりさせておきたい人間関係とか鬼のほうの上弦とか下弦とかの仕組みとかが、あるからです。(笑)

ただ、そうする場合、早めに取り掛からなければ、機会を逃すおそれがあるので、気をつけようと思います。

機を見て、短期に一気に決着させないと私はてんでだめだということを自覚しておりますので。

 

具体的な感想等ですが、

全体を通して、煉獄さんに頼り切って観ておりました。伊之助は、あのイノシシの頭部は、何か呪いなどかけられた事情でああなっているのかなとふと思ったのですが、終盤で、善逸だったかが、”被り物”と言っていたので、納得しました。じゃあ、どうして”被り物”をしているのか、ということまで考えないのが私ysheartです(笑)ともかく、煉獄さん以外では、この伊之助がすごく頼もしかったですね。序盤で、列車の窓に向かって興奮していた場面では、こういう人が知らない人で実際に電車内にいると嫌だなとか、ちらっと思いましたが(笑)

禰豆子が箱の中にいて出てきてからも竹をくわえているのは、今日、この映画を観た後でネットの情報で見て理由を知りました。炭治郎の夢の中では、鬼に殺される前の平和な家族が出てきましたが、どれが禰豆子かなと探しました。それはともかくとして、この優しく温かい家族を振り返らずに目を覚まそうとする炭治郎のシーンには、少し涙が出そうでした。なお、禰豆子の声を演じた鬼頭明里さんは、話さない演技、なかなか面白い役どころでしたね。以前、ネットのニュース記事でもこの話は読んだ記憶があります。(余談ですが、声をほとんど出さない声といえば、『聲の形』でも女の子の声を演じた方がいましたね。詳しくは、以前の私のブログで)

そうだ、夢の中についての話は、今回のメインの悪役、十二鬼月・下弦の壱、魘夢(えんむ)が語っていたと思いますが、夢は円の枠の中の世界で、その外側に無意識の世界があり、その中に核がある、みたいな話でしたね。これを見て、僕は、ユング心理学の自我と自己の話を思い出しました(自我は自分が意識している自分についての認識の範囲だが、その外側に無意識の自己がある、という…)。そういうこともあって、夢の中で刺客の人たちが核を探したり、炭治郎が夢から覚める術を探すシーンはとても楽しめました。

煉獄が病床の母から教えを受ける場面は、この映画を観るPG12に該当する子供の皆さんにも良い教育になる気がします。人より強い人、人より優れた人は、その強さで弱いものたちを守る責任がある、みたいな話だったと思います。こういう思想がより多くの現代人の心得として浸透すれば、現代の社会はもっと寛容で穏やかな、時に荒波があっても協力し合える平和な社会になるのだろうに…と考えてしまいます。特に、コロナ禍にあって、やはり、このアニメ作品が世に出た意義は大きいのではないでしょうか。

 

f:id:ystanza:20201024215554j:plain

パンフレット通常版1000円。私には通常版で十分(笑)

 

そのようなわけで、感動を胸に、帰ってきた私でした。これからは、コンビニのお菓子のパッケージなど今やいたるところに鬼滅の刃の画やキャラクターが見えないことはないのですが、それらを見るたびに幸福な気持ちになれると思っています(笑)

作画は怖いというかグロテスクだったり残酷なところもありますが、ダークファンタジーの部類に属すると言えましょうか。PG12という位置づけも頷けます。それにもかかわらず、今日の会場内、小学生ぐらいのお子さんたちは多かったです。

 

では、また。よい週末、日曜日をお過ごしくださいませ。

#13 10月の雨降る週末、Salyuさんらの風と空と

雨は本降りでしたが、会場のキャパシティの緩和により、SOLD OUTで予約が取れなかったはずのチケットがとれることになったため、夕方から下北沢のライブカフェに出かけました。

 

10月はたそがれの国

2020年10月17日(土)

ニュー風知空知(東京・下北沢)

18時30分開場、19時開演

出演:

佐藤奈々子、長田進、Salyu、羊毛

 

f:id:ystanza:20201017234201j:plain

ニュー風知空知、10月17日のライヴ。

 

下北沢のライブハウスへは、小劇場へ行くほど行ってはおらず、今回の会場は初めてでしたが、この4人によるシリーズは、SalyuのMCによれば、昨年2月と夏の2回以来、つまり僕が知らずにいただけで、すでにこれが3回目になるようです。Salyuが言っていた通り、本当にこのところ(コロナ禍にあることで)、あれ前はいつだったっけと思うくらいに、”タイム感”が違ってしまっていますね。これは、誰もそういう感じになっていると思うし、僕もそうです。

 

Salyuによれば、この4人によるライヴも当初は対バンのような形式だと思っていたが、Salyu&羊毛と、佐藤&長田で、”交互に物語を紡いでいく”かたちで進行していくとのこと。Sa羊が先、佐長が後で、それぞれ2曲、2曲、3曲、3曲、アンコールで1曲。そして最後は全員で1曲と、合計23曲。21時過ぎまで続いて、今の世の情勢下で本当に充実した内容になりました。

 

Salyu&羊毛の曲は、「新しいYES」「VALON-Ⅰ」、「光りの束」「再生」、「雪の下のふきのとう」「HALFWAY」「messenger」、アンコールは「Lighthouse」でした。なお、アンコール手前の3曲は、羊毛とおはなの曲のカヴァーに挑戦されて、あたかもSalyuの曲のように聞こえたのでした。Salyuが自分の曲に欲しいと言っていましたが、そういった意欲が、成果を出したのではないでしょうか(笑)

※アンコールは、佐藤・長田組が「ムーンリバー」で、Salyu羊毛組が海のイメージで、Lighthouse。僕はドビュッシーの世界をイメージしました。

 

佐藤奈々子さんという方は、初めて知った(と自分では思っている)のですが、ネット上で調べたら、佐野元春さんをはじめ、日本のポップス界で多くの人とともに活躍されてきたということが分かりました。今日は、佐野元春さんと42年前に共作したという、夜のイサドラという曲も演奏されました。

天使は知っている、という最初の曲を聴いて、ウィスパー・ヴォイスが特徴のある方だと察しまして、しかし、この感じでプログレッシブな音楽表現もなさっていそうな印象を持ちました。例えば、ケイト・ブッシュのようなイメージです。MCで話をされる雰囲気は、女優の宮城まり子さん(1927-2020)を思い出しました。

長田進さんは、Coccoなどとの作品で覚えています。ギター演奏は、今日は羊毛さんの影響で同じタイプのギターにハマったという話をされていました。曲の終わりにギターを両手で持って少し揺らす感じは、最近ネットで見た配信映像なら、ニール・ヤング(Neil Young)が浮かんできました。長田さんは日本のロック界のニールっぽかったです。”こうして、来てもらえる、会場に(お客さんが)いてもらえるだけでうれしい、とおっしゃっていました。

ラストの4人による演奏では、Salyuの声は唯一無二の楽器だとあらためて感じました。メインのボーカルパートを佐藤さんが歌うのに合わせて、声を聴かせてくれましたが、ペダルスティールギターのような秋の風と空に透過して澄み渡る空気を感じさせるような声、感じ入りました。

ステージが終わって外に出たときも雨の降り具合は変ることがありませんでしたが、久しぶりにライヴを観たという気持ちで下北沢を後にすることができました。ニュー風知空知は、店内もしゃれているので、また別の機会があっても来てみようと思いました。

Salyuの歌声を現場で聴くのは、今年2020年は、これが2回目です。2月にスカイツリープラネタリウムで聴いて以来になりますが、このコロナ禍で2回は、僕なりに頑張って観に来れているつもりです。ただ、これまでの4人でのジョイントライヴの経緯も今日知ったほどで、少し間が空くとアーティストの状況も変わりますので、自分のフェイバリットな人は、ちゃんと情報を得ていきたいと思っています。21世紀は、Salyuのおかげで音楽的にも生活のリズムも活き活きとした心地で歩んでこられました。これからも良い奏でを楽しみにしております。

#12 星の子、初日

芦田愛菜さんが見たい気持ちで、初日の舞台挨拶を観てきました。仕事が終わって、雨の中、できるだけ雨を避けて、日比谷線六本木駅を下車して向かうルートで、TOHOシネマズ六本木ヒルズへ。(久しぶりの日比谷線に乗って、新駅「虎ノ門ヒルズ」を通過したのも初めてで小さな感動でしたが、それは置いて)

 

f:id:ystanza:20201009234805j:plain

TOHOシネマズ六本木ヒルズ

 

星の子

監督・脚本:大森立嗣

原作:今村夏子

音楽:世武裕子

タイトルアート:清川あさみ

アニメーション演出・作画:香月邦夫

キャスト:

ちひろ芦田愛菜)、南先生(岡田将生)、雄三おじさん(大友康平)、海路さん(高良健吾)、昇子さん(黒木華)、まーちゃん(蒔田彩珠)、なべちゃん(新音)、ちひろの父(永瀬正敏)、ちひろの母(原田知世)、ほか

 

【ストーリー】高校受験を控えた中学3年のちひろは、未熟児として生まれたが、両親は、ちひろの体質が改善したことを機に、ちひろを救った水を販売する新興宗教にのめりこみ、周囲の人は好奇の目で見るようになる。姉は家を出ていき、雄三おじさんは、ちひろを両親から引き離そうとする。ちひろは、エドワード・ファーロングのような新任の南先生にあこがれるが・・・。

 

かつては、芥川賞の発表があるたびに、受賞作を読んだ時期もあった私ですが、最近は全然読んでおらず、今回の原作も知らなかったので、映画をいきなり観ることになりましたが、それでよかったと思います。

これまで、さきに原作の知識を得てから観た作品で、良かったものはほとんどありませんでしたから。純粋な状態で映画に向き合えたと思います。

そして、上映前の舞台挨拶も、登壇者の4人(監督、芦田さん、永瀬さん、清川さん)のうち、今回目当ての愛菜ちゃんの表情はなるべく心にやきつけるようにちゃんと見て、その言葉もしっかり心に残るように耳を傾けるように努める一方で、他の3人については、自然体で聴いておりました(笑)

僕が以前のようにブログで、舞台挨拶を細かくレポートしなくなった理由の一つは、舞台挨拶そのものも、演出がかった内容がほとんどで、新聞記事として映えるけれど登壇者の素顔が見えないということが多くなったためです。なので、再現するよりも、その場で雰囲気にまかせて見ているほうがかえって、心の健康に良くて、また、案外、残るものがあると考え、それでも愛菜ちゃんは少し意識をもって見る/聞くようにしたのです。

愛菜ちゃんは、6年振りの主演の実写映画とのこと。僕が以前観た、愛菜ちゃん出演作品は、阪急線を舞台にしたオムニバス映画でした(以前のブログにレビューを書いたことがあります)が、すっかり成長して、清潔感があって、年月の過ぎる速さに驚かされます。

伊藤さとりさん(司会進行)に、関西弁での挨拶を振られたり、清川さんにタイトルアートの刺繍作品をプレゼントされて感激の意を示されたり、そういうところにも、聡明で人間的に安定した成長を感じさせてくれました。

混乱する令和2年、こういった普通に清らかな水のような人を見て、希望をもって生きていたいものです。

今回の映画も、一般に当然にいだくような、新興宗教への好奇の目と、その当事者としてどうにもならない位置にある女の子の心理への共鳴との間で、なかなか答えをこれ!とはっきり振り切れないで考えさせる作品ですが、そうやって感情移入できるだけの芦田さんの演技が、このようなストーリーを通して、希望の光を感じるのでした。

言い換えると、気持ちとしては、大友さん演じるおじさんを応援するし(笑)、結構、本当のことを正直に話すちひろにも魅かれるし、・・・なんですが、そちらに(つまり僕の望ましいと思う方向に)振り切らないで、この親子をぎりぎりのところまで客観的に見ようとしたまま・・・のところが、こちらに考える隙間をくれていて良かったのです。

 

f:id:ystanza:20201009234951j:plain

六本木駅

 

以上、初日ということで、あまり多く書きませんが(時間も遅くて眠いし)、また追記するかもしれません。

新型コロナウイルス感染拡大にともなう様々な制約の中で、永瀬さんいわく、映画館でお客さんと対面で、というのが、それは観客としても演じた人を間近で見られることが、有難いことで、客席も1席ずつ空けて、入場時も検温のシステムを備えて、いる中ではあるけれど、徐々に、コロナ以前の映画館の良さを感じられるようになってきたこと自体は、嬉しいことだと思っています。

台風が来る前の雨の東京、金曜日の夜でした。

#11 蒲田前奏曲(カマタ・プレリュード)

映画『蒲田前奏曲』(英語タイトルは、Kamata Prelude)の特別先行上映を観てきました。映画館で映画を観るのは、2月以来!コロナ禍ゆえのブランクからようやく離反できたysheartでした。〈ヒューマントラストシネマ渋谷〉は、(かつての映画館の名称は、もう忘れてしまったけど)宮下公園のある交差点の角で以前にも映画を観てきた場所です。

【売れない女優マチ子の眼差しを通して、”女”であること、”女優”であることで、女性が人格をうまく使い分けることが求められる社会への皮肉を、周囲の人々との交わりを介在しながら描いていく。】(フライヤーから)

第1に、4人の監督による《連作長編》すなわち、終始、マチ子が登場したり関連したりしていて、単なるオムニバス作品ではないところが面白いのです。こういうのは、僕が観た映画では、10年前に『海炭市叙景』というのがありましたが、あれは原作の小説があってそちらのほうが映画よりも”連作”らしかった記憶があります。

今回は、もっと自然に一人の女優とつながっています。そのことは、内容の面白さもあるけれど、分かり易い構成という意味で、117分の上映時間もあっという間に過ぎていく原因だと思います。

第2に、このフライヤーの文章から僕は、フェミニズム的、女性運動的(本編にも出てくる”MeToo”のよう)な映画だったら抵抗あるなあと、思って上映に臨みましたが、男性の都合やエゴと激しくせめぎあうというのでなく(確かに戦っているが)、もっと穏やかな日常の時間の流れの中で、女性の考え方に寄り添って、悪とか負の存在ないし空気(男性に原因がある訳ですが)がごちゃごちゃして女性たちが頑張って結果としてかき回してしまう中で自然に淘汰されていくのが、楽しくほっとさせてくれます。

 

f:id:ystanza:20200915233941j:plain

渋谷で先行上映。蒲田前奏曲、9月15日

 

4作とも良いです。通常、得体のしれないのが1.5作ぐらい含まれて、オムニバスないし”連作”というのは(自分が観てきた中では)今一つなのが多いですが、最後の渡辺監督の作品は、僕がここで述べたことにつながることを代弁してくれているし(笑 ああそうか作り手もそう考える人がいるんだと。今回のマチ子の設定にせよ映画の構成にせよ)、マチ子は何処だ、この監督は他の3人と同じ地平線上で平和な人間関係の上でこれ作ったのか、など一抹の不安がよぎったものの、終わってみれば、あれがちゃんと他の3篇と折り合っていると見ることは、僕はできた(笑)

・・・ので、今回は、全体としての感想を言うと、観てよかった、司会の松林うららさん(本編のプロデューサー兼、マチ子役での出演者)も言っていたように、何度か観に来ても、良いだろうな、と思える映画になりました。

 

監督・脚本 ・・・ 中川龍太郎、穐山茉由、安川有果、渡辺紘

企画・プロデューサー・出演 ・・・ 松林うらら

出演

第1番「蒲田哀歌」 松林うらら 古川琴音 須藤蓮

第2番「呑川ラプソディ」 伊藤沙莉 福田麻由子 川添野愛 和田光沙 

第3番「行き止まりの人々」 瀧内公美 吉村界人 大西信満 近藤芳正

第4番「シーカランスどこへ行く」 久次璃子

 

 

なお、今回の映画を観ようと思ったのは、福田麻由子さん目当てでした。福田さんを映画で観たのは、2009年公開の映画『ヘブンズ・ドア』以来です。当時、舞台あいさつで、福田さんは、「お母さんのように演じてほしいと言われた。お母さんのようにというのは難しかった」と話していたのを記憶しています。詳しくは、僕の旧ブログの映画レポートで。

その福田さんは、期待した通りの優しげな存在感で良かったです。対照的な攻めの気性を見せるのが、伊藤沙莉さんで、この女優さんも最近よく話題を見るので、興味がありまして(志村けんさんとの共演作がずっと印象に残っていました)、ここでも、伊藤さん演じる女性が突破口になって、福田さん演じる女性を動かす関係性がテンポがあって良かったです。

今回の舞台挨拶(上映前)での登壇は、福田さんのほか、川添さん、和田さん、瀧内さんの4名でしたが、福田さんは、「(沙莉さんとは)ドラマ『女王の教室』(2005年)で共演してから、3年後には姉妹の役で『霧の火』(2008年)というドラマで共演しました。小学校の同級生に久しぶりに会ったような(感じで)変わらずにいてくれて楽しかったです」。「(第2番「呑川ラプソディ」では、女子会ともう一人?の女性に)それぞれの選択があってフラットな作品になっているところが新しいなと思います」とおっしゃっていました。

登壇の(うららさんを含めて)5人とも色の違う衣装で、それも含めて楽しい時間でした。

25日の公開を待ちます。この映画自体は、穐山監督(上映後、ご登壇)によれば、大阪でのプレミア上映があって、今回は本公開、東京で初日を迎えて嬉しいとのお話でした。

 

また追記したいことがあれば、書くかもしれませんが、いろいろとネタバレの領域に入ってもいけないので、これにて。

#10 のんと駆け巡る小さな夏の旅

8月30日の日曜日、夏は終わりを迎えています。ここ1週間で、ツクツクボウシの鳴き声が当たり前になってきたのを感じております。とはいえ、まだ本当に暑さは変りませんね。

東京都から出ることがいろいろな事情で憚られる情勢の下、夏の終わりの外出も、都心への電車による1時間以内の移動ですむ内容に終始しましたが、ysheartは、美術鑑賞など静かなイベントも大好きなので、このような状況でも楽しむ気持ちは健在です。この週末は、九段下から歩いて、国立近代美術館へ行きました。

 

Peter Doig ピーター・ドイグ展

2020年2月26日(水)→ 6月14日(日)※10月11日まで延長

 

f:id:ystanza:20200830192725j:plain

東京国立近代美術館、8月最後の週末、やって来た。

 

音声ガイドのナビゲーターは、のん(能年玲奈)さん(女優・創作あーちすと)ですから、普段、美術館でめったに音声ガイドに頼らない私ysheartでも、今回は、借りました。のんのファンとして、これはぜひ、聴きながらまわりたいと思って来ましたよ。2月から来たいと思っていて、ようやく来られました。事前予約で行くのが確実のようですが、当日でも普通に入場券を買うことができました。

ところで、私はピーター・ドイグを知りませんでした。1959年スコットランドエジンバラ生まれ。(スコットランドは、私がポーランドの日本語授業で知り合った元学生のズザさんが暮らしていますので、行ったことはないけど親しみを感じる場所です。エジンバラの風景の写真も送ってくれました)。

現在も活躍中のドイグさんの絵画作品は「ゴッホマティスムンクといった近代画家の作品の構図やモチーフ、映画のワンシーンや広告、彼が過ごしたカナダやトリニダード・トバゴなど、多彩なイメージを組み合わせ」(フライヤーから引用)たものです。

僕は、まず、キャプションでは2番目の「天の川」の、たくさんの色を繊細にちりばめた美しさに惹かれました。続いて、赤系の色を上手に使っている「のまれる」という題名の作品の、油彩ならではの自由で大胆な色と筆使いのすばらしさに引き込まれそうになり、ここでの、のんさんのガイドを聴きました。が、白いボートと人は、13日の金曜日の、ジェイソンから逃れて最も安心を得た場面だという趣旨の内容に、固まりそうでした(笑)

ふうん・・・ドイグさん、そう考えるんだ・・・←w

このあと、3回ほど、東京国立近代美術館主任研究員の桝田さんの解説にもあった話によると、ドイグは、上述した通り、もともとある画家の有名な構図や、映画のシーンから自分でイメージして風景を描くことをするようです。

これは、風景は想像で描く可能性はあるとはいえ、そこまで既存の何かをモチーフにするとは!と驚かされました。そうか、本当に自由なんだなと。アーティスト、そこまでふりきっていいんだなと(笑)

それをドイグ固有の世界、オリジナルな表現として提示できるのか。そうなると、これらの表現物の本質は、何だろうか。考えてみると、面白いテーマかもしれないと、少し思いました。しかし、先の「天の川」にせよ、ホラー映画をモチーフにしていると気づかされる前の「のまれる」にせよ、それに一度、感動してしまっている以上、自分の名誉のためにも、その本質というものを追究してみる価値はあるでしょう。

それはそうと、そのまま観ていくと、タイトルは忘れたけど、空と、建物が2棟こちらを向いている陸地と、川べりの3面が色彩を対比的に並行的に描いている絵があって、これも僕は好きな絵です。

似たような構図で、手前に女性、少し遠くに男性が、浜辺で横になって、月が浮かんでいる、「夜の水浴者たち」これも、人が明確に描かれている中では結構気に入りました。人がたくさん描かれている作品で、ゴーギャンとかマティスをほうふつさせる作品も良かったな。あと、最後に、少し小さな額におさまっていたが、3人が演奏していた絵があったかな、あれも僕は好きです。

のんさんは音声ガイドで主に、人物が描かれている作品の解説を読んでくれました。絵の世界を純粋な気持ちで遊泳している雰囲気で、しかしよどみない優しい語りに、良い時間、”想像の旅”のひとときを過ごさせてもらえたと思っています。

 

f:id:ystanza:20200830192855j:plain

のんカレンダー8月は、涼しげな色の衣装で。

 

さて、8月のカレンダー、のんさんも心をくすぐる素敵な写真です。9月はまたうってかわって、〈あーちすと〉な、かっこよい写真になるのを、このあいだちらっとめくってみて僕は知っているのですが(笑)。

ともかく、のん(能年玲奈)さんにかかわる様々なリモート的催しがある中で、僕が接することができたものは僅かで、また地味でもあります。が、ひとつひとつ自分の中では大きな感慨をもって迎えて、自分の励みにしています。

この夏、のんさん関連であったことを顧みると・・・。

 

1.のんとも。M  lalalaにちようび

5月終わりに、のんさんの音楽のために、歌入れするプロジェクトに参加。ヴォイスメモアプリで録音したmp3をファイル化して送信したのですが(これはこれで、アナログなysheartにとってはハードな作業だったわけですが;)、7月終わりに公開された、のんさんの動画には、ちゃんとクレジットされていて本当に感激し、何か、のんさんのお仲間になれた気持ちでうれしかったです。

 

f:id:ystanza:20200830193110j:plain

NHKテキストと、『モモ』。

 

2.ミヒャエル・エンデ作『モモ』の朗読

Eテレ『100分de名著』(毎週月曜日22時25分放送、水曜日再放送)、8月の教材はドイツの児童文学作家ミヒャエル・エンデの作品『モモ』。4回にわたり、心理学の河合俊雄先生、伊集院光さんらと作品世界を分析しました。僕は、以前、中途半端になっていた本作の読破をめざし、のんさんの朗読に一生懸命についていきました。これはまだ、読み終わっていませんが(読みだすと、なかなか容易には終わりません)、あと少しです。

ユング心理学の考え方から見たモモの描かれ方について興味深い話が聞けましたね。

また、大島かおり氏の日本語訳(岩波少年文庫)は、子どもらしい夢のある感覚を良質な日本語で表現してくださっています。

なお、のんさんの声は(さきのドイグ展もそうですが)朗読やナレーションにとても温かみを込める素敵な声です。

この共通した声の性格の持ち主についてysheartは、ここ15年間で、3人の女性に遭遇しています。最初の一人は、演劇関係で知り合った方、2人目が、のんさん、3人目は、いま応援しているアイドルグループに一人います。いずれまた話題にすることがあると思います。ともかく、叙情的な良い声です。

 

以上ですが、もちろん、音楽も映画も、進行形でやっていらっしゃいますね。映画のほう、今年の夏も『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』上映されまして、戦争の悲劇を語り継ぐ術がなお続いていくことに希望が持てます。また、『星屑の町』これから上映の映画館もあるようでうれしいです。きょう30日は、首都圏では、深谷シネマで上映開始のようです。

このほか、岩井俊二監督の『8日で死んだ怪獣の12日の物語』首都圏では、3か所、しかし、いずれももう、レイトショー化しておりますね。僕は、ようやく、のんさんの活動に関心を大きく向ける余裕ができましたので、映画を観る機会をとらえるよう注意していきたいと思っています。

 

f:id:ystanza:20200830193503j:plain

東銀座にある「いわて銀河プラザ」。アイスクリームで一息。

 

以上、夏の終わりの、のんファン近況報告でした。

そして、このほか、美術館、映画、音楽の話題、当ブログは、どこかへ行って鑑賞した、観劇した、観戦した、ものなどを通して、想いを語るブログですので、これらにアンテナを張りなおして、コロナ禍の状況でできる範囲で何か伝えていこうと思います。

明日で、本当に、2020年8月は終わりとなります。みなさんの夏休みはいかがでしたか。どこかへ行けなくても得たものがありますように。