ysheartの長い旅

観戦、観劇、鑑賞をきっかけに感傷に浸る旅の記録です。

#78 2022年の観劇レポⅣ(最終回)・『クリスマスフール』ほか

今年2022年最後の、演劇を観たレポートです。12月11日に学芸大学で、18日に浅草橋で観ました。その2作を。

 

【Ⅰ】

ROUND TREE PRODUCE

~Xmas fool~

2022年12月7日(水)~12月11日(日)

@千本桜ホール

 

学芸大学前の千本桜ホール、久しぶりに来た。

 

12月11日観劇、同日午後9時17分ツイート。

千本桜ホール久しぶり。13時の部。 こういう日常的な笑えるの好き。 診断書あれでいいのか(笑)いちばん大事な真実を知ってみんな安心だから良い訳か。 尾崎豊のライブ動画、人生で一番、懸命に見てる(笑) サツキ役の森崎りなさん会えてよかった。 千穐楽までお疲れ様でした。 #クリスマスフール

 

儲からない喫茶店が、知人の男にけしかけられ、SNSを使った奇策に打って出ようとするが・・・。主人公の店長と別れた奥さん、その奥さんを再婚の相手にしたい男性と、再婚に反対する娘、等々周囲を巻き込んで展開されるドタバタが楽しく、テンポも良かったです。

 

森崎りなさん目当てに来まして、ZOOMオンラインで顔を見たこともありましたが、会ってあいさつできたのは何か月ぶりかのことです。

しかし、お芝居は、今年の過去3回の観劇レポも合わせると、合計3本の芝居を観ており、ああ、特定のキャスト出演を目当てに来た演目で観ると(実際そういう演目だけでした今年は)、森崎さんがベスト・お目当て・オブ・ザ・イヤーとなりました。僕も、いま、分かって驚いています。

やはり、積み重ねですな、ysheart。

 

森崎さん演じるサツキちゃんが、取材にやってきた堀門が、実はサツキファンであることを知らず、堀門のほうは知っていて、こっそりカメラ撮影したり、カウンター席に座るだけで興奮するくだりは、アイドルファンの心理や行動を思わせ、共感できて面白かったです。気づかないサツキも可愛いところです。

 

このツイートには、男性の娘・梨花役を演じた塚田光虹さんや、カーテンコールの際に、尾崎豊のライブを再現して盛り上げた、半田役のKいちさん等からリプをいただき、嬉しく思いました。

僕は尾崎豊のファンではないんですが、音楽は好きで、80年代から90年代初めごろにかけての、当時の尾崎さんのディスコグラフィーにあるアルバムは、どれもいまだに興味をそそるものばかりです。最初に尾崎であると認識して聞いたのは「卒業」なので、アルバム的には『回帰線』、それから『壊れた扉から』がいちばん親しみを感じさせます。『十七歳の地図』は、中学生当時の時点からさかのぼって知ったデビューアルバムです。尾崎のことはこれくらいで止めておきます(笑)

書くとすれば、私の音楽レビューのブログになるかな(アメブロ「THE OTHER SIDE OF LIFE~ysheartの部屋」)。

 

今回の会場・千本桜ホールに来るのは、2018年以来かと記憶しています。また来られて小さな感激を覚えました。

 

千本桜ホールの演劇は以上。次は、浅草橋の劇場から。

 

【Ⅱ】

Gahornz

Remake4 ドゥック・デャック・デュック

Situation 「Lounge on Board」

@SPACE AVAILABLE 浅草橋

12月11日(日)・17日(土)・18日(日)全4公演

 

12月18日午後9時27分ツイート。

「ドゥック・デャック・デュック」(注意して入力しないとネット検索何度か失敗w) そうか即興が入ってたか。確かに、途中”?”なやりとりがあった(笑)最後にちゃんといろいろ回収されていた。目当ての #野田怜奈 ちゃん声も台詞もすーっと入ってきて心地良き。公演おつかれさまでした。#Gahornz

 

初めて来た場所。今年最後の観劇の会場になった。

 

野田怜奈ちゃん目当てで来ました。会場を案内するサイトの説明が面白い。牛がお尻を突き出しているのを目印と伝えてくださったおかげで、すぐに会場がわかりました。

牛のお尻のお店は、焼肉料理店です。浅草橋駅西口の改札を出てすぐです。焼肉料理店の隣りにある、ビルのB1が会場でした。

 

牛のお尻が目印。浅草橋駅改札口のすぐ前。

 

即興劇がもとになっているらしく、それで、いくつかの場面は、観ていてどこかぎこちないなあと思ったのでした。このぎこちなさを、観る側が楽しく笑い声が出せるものへ転化できる舞台は、成功と言えるのでしょう。アイドルの心理とか、途中で出てくるヒット曲(今回は、あみんの「待つわ」など)など、日本の芸能界関連の知識もう少し貪欲に表現してほしかったです。

 

アイドル(地下の)って、何に悩んで何がきっかけで卒業したり脱退したり、体調不良で欠席したりするのでしょうね。

そこがもう少し、掘り下げられたものが伝わるとよかったと、日ごろ、ドルオタというほどでないけどわりとアイドルを観に行くことが多い(メンバーの去就で一喜一憂することの多い)私ysheartなどは、つよく思いました。

 

役者さんたちが生きた時代にないものは、表現が難しいのかもしれません。

これは難しい課題でしょう、誰にとっても。

 

昔、私は、さる高名な脚本作家の朗読教室に参加したことがあります。

その教材として、時代の古い(昭和の前半の設定だった)小説の朗読が、とても難しかったです。その時代を生きていないと、同じ文章中の言葉でも、伝わらない、ということを学びました。そのことが思い出されます。

 

最近の音楽はじめとするカルチャーの変遷は、深刻なまでの世代間ギャップを引き起こしているように思えてなりません。そこへ、コロナ情勢下で、昭和の表現者が人生の舞台から旅立って行き(志村けん仲本工事水木一郎、等々、敬称略)、文化の源泉と最前線の文化生活が引き離され、世代間で共有できることがらが激減しています。

だから、あみんの「待つわ」も、ジェームズ・キャメロンの映画『タイタニック』も、ある人々にとっては新しい記憶か当たり前の共有できる記憶であっても、平成後半から令和のポップカルチャーとともにある若い世代には、自分たちの時代のものとして認識されていないわけです。

 

だから、例えば、

8時だヨ!全員集合”と掛け声出したりとか、”かわいいふりしてあのこ わりとやるもんだねと”と歌ったりとか、その時代ある期間中で聞いていないと、それをみんなの前で発した時に伝わり方もおのずと異なってくるでしょう。

 

伝わる、伝える、ということへの葛藤をここでも考えさせられたのでした。

 

最後に、

野田さんは本当にうまいなと思えます。流れるように、物語の進行に観る者を導いてくれます。

 

野田怜奈さん。浅草橋。

 

クリスマスの時、野田さんのデジタルブロマイドが送信されてきました。

ありがとうございました。

 

2022年の演劇レポートですが、その後、予算の関係もあって、観る予定は立てられないので、これで今年最後といたします。

これで終わりとするのは、惜しい気がしますが、現実には抗えません。

来年もまた、よいお芝居に出会えたら、よい役者さんに出会えたらと思っています。

 

今年の観劇レポート登場の主な皆さん、

木村望子さん、後藤萌咲さん、

枝ちなみさん、春名風花さん、百川晴香さん、

野田怜奈さん、森崎りなさん、

そのほか、多くのみなさん、Twitterの感想ツイートにリプをくださった方々、

 

ありがとうございました!

コロナが明けて、もっとお会いできる機会が増えるといいですね。

よいお年をお迎えくださいませ。

 

 

 

いつも、Twitterでもフォローいただいている枝ちなみさん関連では、松戸のテラスモール松戸へ行ってみたのもちょっとした思い出です。

11月19日午後10時3分ツイート。

【テラスモール松戸、初めて行った。駅からバス。 日が暮れ行くのが早くちょっと遠くて焦ったのですが、ゆっくり過ごしたい場所、また来たい。 ちなみに、ちなみさんを確認、所期の目的は達した(笑)】

 

 

2022年も、今日を含めて、残すところ、

 

あと3日!!!

 

つづく

#77 2022年の観劇レポⅢ 『冬物語』ほか

季節はや冬。加速してますね2022年。演劇レポート、パソコンの修理のため、だいぶ久しぶりになりました。今回は11月に観た2作、どちらも、ysheartのブログでは旧ブログからのエース、はるかぜちゃんの出演作品の感想、冬の始まりを告げる浅草から。

 

日曜日の浅草寺、朝は晴れていた。

 

Season3 ハルジオン 第8回公演

言葉のアリア『冬物語

 

作:ウィリアム・シェイクスピア

訳:小田島雄志

脚色・演出:佐々木雄太郎

 

会場:浅草九劇

2022年11月30日(水)~12月4日(日)

【出演】若尾桂子、有栖川姫子、春名風花、シミズアスナ本間理紗、星乃彩月、伊井ひとみ、楠田敏之、塩口量平、白倉裕二、熊野善啓、中三川雄介、室岡佑哉、宮﨑聡

【あらすじ】(フライヤーから)

シチリア王リオンティーズは、親友のボヘミア王ポリクシニーズが、妊娠している妻のハーマイオニと密通していると誤解する。激怒したリオンティーズは、ハーマイオニを牢獄へ監禁し、ハーマイオニは獄中で出産するが、リオンティーズは、出産した子供を異国の地へ島流しにする。ハーマイオニは神託によって潔白が証明されたが、時既に遅し、獄中で自害したとの報せが入り、リオンティーズは激しい後悔に苛まれる。そして16年の時が経ち…世代は移り変わる。過去が未来を紡ぎ出し、絶望から希望への道標を照らし出す、愛と希望の物語。

 

11月30日夕方、浅草九劇にて。

 

私が観た11月30日、午後11時52分ツイート。

初日、観てきました。浅草九劇久しぶり。シェイクスピアを観る前には毎回、原作を読んでから行くのですが、今回もおかげで愉しく観れました。はるかぜちゃんの王子良かったです。#言葉のアリア#冬物語

 

初日だったので、上記のようなシンプルな感想ツイートですが、要点は出せていて、天才的な集約です(笑)気がつけば浅草九劇での観劇は4~5年ぶりになっていました。が、浅草はたびたび訪れたい/訪れている場所ゆえに、演劇を目的に来られてうれしいです。そして、シェイクスピアは、数日前に図書館で借りたのを読んでおいたので、次はこの場面、その次は・・・と予測してゆけて、2時間40分(1時間15分後の途中休憩10分を含める)充実した時間が過ごせました。

 

その場合の予測も、誰にとっても、ポイントであると思われるであろう場面はともかく、さして重視していなかったくだりが、ああこういうくだりがあったなと思い出されたのも自分自身、面白いことに気がついた気持ちになりました。

そして本編ですが、ボヘミアの王ポリクシニーズが帰ろうとするのをシチリアの王リオンティーズ続いて妃のハーマイオニが引き留める場面。シェイクスピアのこういうセリフはまわりくどいんですが、ちゃーんと謙遜して相手を立て続けているんですよね。これが見事です。こういう場合に、僕ら実際のビジネスの場で、それでも今日中に帰らないといけなかったら、どういう言い方で断ればいいのかなあ、と少し考えました(笑)

 

女性の方がリオンティーズを演じたのは予想外でしたが、宝塚でも女性が男性を演じるわけだし、かえって他のキャストの良さが活かされていたのかもしれませんね。ポーリーナの気丈なイメージと神託が読まれ皆が喜ぶところは気持ちが入っていけます。ポーリーナ役の方、しゃんとしていて、きれいですね。次の幕で田舎の元気な女性に変貌しますが(笑)

 

そして、16年がたって、春名さんのフロリゼル登場。パーディタが羊飼いの娘として素朴に育ったのを表す、訛りのあるセリフが、ここちよく入ってきました(笑)あれは、東北方言ですかね、プロフィールによるとご出身は東京ですのに、それも不自然になるといかんところですが、そうならず、上手に演じてらっしゃいましたね。

 

祭りの時のオートリカスと周りとのやりとりが、本で読んだ時よりもわかりやすかったです。そして、変装したポリクシニーズが正体を明かし、その後は、二人の王が再会を果たし、ハーマイオニの彫像が本人のようによみがえる最後の場面まで、みんな、いつも自分の配役の表情を貫いていったのを、こちらは、瞬間で目線を各キャストに向けるysheartの超人的な観劇能力で見届けることができましたよ(笑)

 

シェイクスピアはあらかじめ確固たる台本があって、それをまた、現代の(けっこう役者も観客も共有している)感覚でツッコミを入れたいところなどは、みんな同様に笑うことができて、特に本作は、わかりやすく、ハッピーエンドで締めくくられ、今回の舞台でもみんなの踊りがあって、いい時にいい芝居を観たという実感が持てました。

いま、コロナや世界情勢・社会情勢のゆがんだ状態の中、冬の始まりに冬物語、落ち着いた良い演目に出会えて、感謝の気持ちで会場を後にしました。いま、私は、かなり危機的な家計の状況のもとにあるため、物販には寄りませんでしたが、よき思い出となりました。あと、春名さんの一人称がフロリゼルでそのまま聴けたのもファンとして嬉しく思いました(笑)変わらないけれど、演技・表現力は安定的に向上されている印象でした。

今日4日が千穐楽。みなさま、おつかれさまでした。

 

12月4日、千穐楽、おつかれさまでした。

 

 

ところで、はるかぜちゃんといえば、先月11月の上旬には、墨田区で、もう一つ観劇していました。パソコン故障中だったので記事は上げていませんでしたが、ここに書いておきます。

 

Voyantroupe   偏執狂短編集 終

すみだパークシアター倉

2022年10月28日~11月6日

 

侘色の章《レイプされたアイリーン・ウォーノス》

女性の連続殺人鬼、「ハイウェイ・キラー」の異名をとる”アイリーン・ウォーノス”の哀しき半生を追う。

 

11月5日午後11時11分ツイート。

アイリーンその人と向き合ってくれる家庭や社会がなく、僅かにいた味方も救いになれなかった。ハートの「Alone」が何とも複雑な余韻を残した。人生のまともな道を見出せなかった悲哀を演じたはるかぜちゃんの迫力が、#偏執狂 の恐怖や残酷のイメージをも超えたと思う。明日もがんばって。#春名風花

 

アイリーン・ウォーノスは、1989年から1991年にかけて7人の男性を殺害した罪で死刑判決を受け、2002年に執行されたそうです。

まず、最初からアイリーンの激しいセリフが始まるのですが、これが春名さんだとは初め気が付きませんでした。アイリーンは春名さんと小野瑞季さん(少女期)がお二人で演じていますが、後方の席から観たとはいえ迂闊でした←。その後、アイリーンのヒステリックな叫びのようなうったえが回想的な展開の中で続いていきます。それらが、すべて説得力のあるものとしてこちらに伝わってきたのが素晴らしかったです(ふつうは演技に無理を感じたりするものですがそうでなかったのです)。

 

ちょっとここで言いたい(笑)。

劇中使われている楽曲は、80年代、僕が最も好きだった洋楽のヒット曲がいくつかありました。チープ・トリックの「永遠の愛の炎」、ラストは、ハートの「アローン」など。華やかでエネルギッシュなアメリカのポップカルチャーに、アイリーンのテンションが表向きにせよ、ハマってしまっている。それが私を複雑な心境にさせました。

僕にとっては自分を支えて力を与えてくれていた(かもしれない)音楽が、アイリーンの心の闇を覆い隠す手段のように聞こえてきてしまうのです。

音楽ってそれを受け取る人のその時の状態や境遇でどんな意味の装いにも変わってしまう。そういうことなのだ。僕にとって良かったものは、Voyantroupeとは関係ないと思えばいいのだ(←コラッ)と思いたいですが、この違和感はこれからも背負っていくことでしょう。

 

まあ、あんまりいい曲を使ってほしくないな、正直!(←←←コラー!!!www)

 

女性の権利団体とかが面会してくる場面は、こちらも”違うんだって。そんなものは彼女は求めてないんだって”と、共鳴したくなるような場面でした。アイリーンに必要だったのは、普通の生活、普通の理解。何か不遇な人に特別な保護、ではなく。そういう叫びが受け止められる存在が、惜しいところに親友はいたのだけど。その親友がひとり、できることには限界があったのもわかるし。

 

・・それでラストに至るほどに、これがVoyantroupeの短編集シリーズだということを忘れていましたよ。

このシリーズは、過激で凄惨な、エロ・グロな、演技・描写が特徴ではあるけれど、率直に言って、本編で舞台奥のスクリーン上に、AVさながらのレイプシーンが二度出てくるのは余分に感じました。なんかね、春名さんの演技が、シリーズの雰囲気を超えてしまっていたと思えるのですが、ひょっとすると、本シリーズの到達点を、春名さんが示してくれたかもしれないのです、まさに最終章にふさわしく。

 

私たちは偏執狂を分析して、地獄の空間を泳いできた挙句、輪廻の果てに、自分たちの現実を取り戻してしまい、偏執狂の哀しさに寄り添う気持ちになっていたということかもしれません。

 

僕は、このシリーズのいくつかを、かつて観た時にも、はるかぜちゃんの演技を観ました。そのブログはすでに昨年閉鎖しましたが、その時からの流れに乗りながら、はるかぜちゃんは、素晴らしい演技を見せてくれて、社会の矛盾、それに対する我々の怒りを呼び覚ましてくれたと思います。

 

すみだパークシアター倉。11月5日。

 

最後を見届けられてよかった。

はるかぜちゃんについては、今年前半に、学校の卒業の公演のチケットをいったんゲットしながら、その後再発売で入手できず観られなかったという無念なこともありましたが、いいものをいくつか観ることができ、ぼちぼち良かったという気持ちになっています。

 

 

今日は、日曜日。

 

演劇を観るお金はないですが、もう一度、浅草に来ました。

11月30日にはできなかった、浅草寺本堂へのお参りもしまして。

 

12月最初の日曜日、青空が見えた浅草。

 

おみくじは、今年、安定の””続きです。

慎重に行け、よーく注意して進め、と;

 

2022年は、あと27日!