ysheartの長い旅

観戦、観劇、鑑賞をきっかけに感傷に浸る旅の記録です。

#14 劇場版・鬼滅の刃・無限列車編

週末、10月24日、新宿の映画館へ『鬼滅の刃』を観てきました。

 

劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』。僕は仕事柄、若い人たちとかかわることが多いので、いつも現時点でいちばん新しいアニメ、ドラマ、タレント、音楽などポップカルチャーの話題から無縁ではいられないという宿命を背負っております。しかし、何が流行っているのか知っているだけでなく、自分が興味を持った作品はできるだけ観たり読んだりしたいと思っており、2020年は、アニメ部門では、とりあえずこれは押さえなくてはと思いました(笑)

 

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新宿の映画館。『鬼滅の刃』上映中。

 

私ysheartの歴史を知っている人なら、私が年月を経てもアニメや特撮など相変わらず吸収することに違和感は覚えないとは思いますが、さすがに、そんな私とて興味が持てないものは吸収できません。しかし、この『鬼滅の刃』は、応援しているアイドルの百晴何某らがSNSで話題にしたことがあって、それ以来、社会における話題の高まりとともに、これは自分も抵抗なく見れるほうの作品だと予測できたので、劇場版公開となっていよいよ、映画館に行く機会をうかがっていたのです。そういう言い方をすると大げさですが、ともかく今日になりました。

自分としては、全然知らない作品の映画版ということで、時間があれば、まず、何に手を付けるかといえば、コミックのはずでした。が、劇場版を見たいと思った今を逃すと多分、なかなか観に行けずに結局見逃すだろうと、これまでのパターンから予想できたので、コミックは後回しにして、いきなり、映画から入ることに決めました。

予備知識は、ネット上のどこかのページ(公式サイトはなぜかほとんど見ず)から、あらすじと、登場人物(キャラクター)、その相関図だけを、いま理解できる範囲で押さえてから今日の午前中、意志が揺るがないように、朝早い時間帯で観賞しました。

 

 

【おもな登場人物】( )内は声優

竈門炭治郎 (花江夏樹)/竈門禰豆子(鬼頭明里)※「ね」はしめす扁/我妻善逸(下野紘)/嘴平伊之助(松岡禎丞)/煉獄杏寿郎(日野聡

 

 

観た感想は、ストーリーに興味を持って入って行けて、迫力のある戦闘シーンと感動で少し涙が出そうなシーンとが折り重なって、2時間あっという間に過ぎた、という感じでした。すごく面白かったです

今後、コミックに手を伸ばすことはあり得ますよ。なぜなら、この映画を観たことで、はっきりさせておきたい人間関係とか鬼のほうの上弦とか下弦とかの仕組みとかが、あるからです。(笑)

ただ、そうする場合、早めに取り掛からなければ、機会を逃すおそれがあるので、気をつけようと思います。

機を見て、短期に一気に決着させないと私はてんでだめだということを自覚しておりますので。

 

具体的な感想等ですが、

全体を通して、煉獄さんに頼り切って観ておりました。伊之助は、あのイノシシの頭部は、何か呪いなどかけられた事情でああなっているのかなとふと思ったのですが、終盤で、善逸だったかが、”被り物”と言っていたので、納得しました。じゃあ、どうして”被り物”をしているのか、ということまで考えないのが私ysheartです(笑)ともかく、煉獄さん以外では、この伊之助がすごく頼もしかったですね。序盤で、列車の窓に向かって興奮していた場面では、こういう人が知らない人で実際に電車内にいると嫌だなとか、ちらっと思いましたが(笑)

禰豆子が箱の中にいて出てきてからも竹をくわえているのは、今日、この映画を観た後でネットの情報で見て理由を知りました。炭治郎の夢の中では、鬼に殺される前の平和な家族が出てきましたが、どれが禰豆子かなと探しました。それはともかくとして、この優しく温かい家族を振り返らずに目を覚まそうとする炭治郎のシーンには、少し涙が出そうでした。なお、禰豆子の声を演じた鬼頭明里さんは、話さない演技、なかなか面白い役どころでしたね。以前、ネットのニュース記事でもこの話は読んだ記憶があります。(余談ですが、声をほとんど出さない声といえば、『聲の形』でも女の子の声を演じた方がいましたね。詳しくは、以前の私のブログで)

そうだ、夢の中についての話は、今回のメインの悪役、十二鬼月・下弦の壱、魘夢(えんむ)が語っていたと思いますが、夢は円の枠の中の世界で、その外側に無意識の世界があり、その中に核がある、みたいな話でしたね。これを見て、僕は、ユング心理学の自我と自己の話を思い出しました(自我は自分が意識している自分についての認識の範囲だが、その外側に無意識の自己がある、という…)。そういうこともあって、夢の中で刺客の人たちが核を探したり、炭治郎が夢から覚める術を探すシーンはとても楽しめました。

煉獄が病床の母から教えを受ける場面は、この映画を観るPG12に該当する子供の皆さんにも良い教育になる気がします。人より強い人、人より優れた人は、その強さで弱いものたちを守る責任がある、みたいな話だったと思います。こういう思想がより多くの現代人の心得として浸透すれば、現代の社会はもっと寛容で穏やかな、時に荒波があっても協力し合える平和な社会になるのだろうに…と考えてしまいます。特に、コロナ禍にあって、やはり、このアニメ作品が世に出た意義は大きいのではないでしょうか。

 

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パンフレット通常版1000円。私には通常版で十分(笑)

 

そのようなわけで、感動を胸に、帰ってきた私でした。これからは、コンビニのお菓子のパッケージなど今やいたるところに鬼滅の刃の画やキャラクターが見えないことはないのですが、それらを見るたびに幸福な気持ちになれると思っています(笑)

作画は怖いというかグロテスクだったり残酷なところもありますが、ダークファンタジーの部類に属すると言えましょうか。PG12という位置づけも頷けます。それにもかかわらず、今日の会場内、小学生ぐらいのお子さんたちは多かったです。

 

では、また。よい週末、日曜日をお過ごしくださいませ。

#13 10月の雨降る週末、Salyuさんらの風と空と

雨は本降りでしたが、会場のキャパシティの緩和により、SOLD OUTで予約が取れなかったはずのチケットがとれることになったため、夕方から下北沢のライブカフェに出かけました。

 

10月はたそがれの国

2020年10月17日(土)

ニュー風知空知(東京・下北沢)

18時30分開場、19時開演

出演:

佐藤奈々子、長田進、Salyu、羊毛

 

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ニュー風知空知、10月17日のライヴ。

 

下北沢のライブハウスへは、小劇場へ行くほど行ってはおらず、今回の会場は初めてでしたが、この4人によるシリーズは、SalyuのMCによれば、昨年2月と夏の2回以来、つまり僕が知らずにいただけで、すでにこれが3回目になるようです。Salyuが言っていた通り、本当にこのところ(コロナ禍にあることで)、あれ前はいつだったっけと思うくらいに、”タイム感”が違ってしまっていますね。これは、誰もそういう感じになっていると思うし、僕もそうです。

 

Salyuによれば、この4人によるライヴも当初は対バンのような形式だと思っていたが、Salyu&羊毛と、佐藤&長田で、”交互に物語を紡いでいく”かたちで進行していくとのこと。Sa羊が先、佐長が後で、それぞれ2曲、2曲、3曲、3曲、アンコールで1曲。そして最後は全員で1曲と、合計23曲。21時過ぎまで続いて、今の世の情勢下で本当に充実した内容になりました。

 

Salyu&羊毛の曲は、「新しいYES」「VALON-Ⅰ」、「光りの束」「再生」、「雪の下のふきのとう」「HALFWAY」「messenger」、アンコールは「Lighthouse」でした。なお、アンコール手前の3曲は、羊毛とおはなの曲のカヴァーに挑戦されて、あたかもSalyuの曲のように聞こえたのでした。Salyuが自分の曲に欲しいと言っていましたが、そういった意欲が、成果を出したのではないでしょうか(笑)

※アンコールは、佐藤・長田組が「ムーンリバー」で、Salyu羊毛組が海のイメージで、Lighthouse。僕はドビュッシーの世界をイメージしました。

 

佐藤奈々子さんという方は、初めて知った(と自分では思っている)のですが、ネット上で調べたら、佐野元春さんをはじめ、日本のポップス界で多くの人とともに活躍されてきたということが分かりました。今日は、佐野元春さんと42年前に共作したという、夜のイサドラという曲も演奏されました。

天使は知っている、という最初の曲を聴いて、ウィスパー・ヴォイスが特徴のある方だと察しまして、しかし、この感じでプログレッシブな音楽表現もなさっていそうな印象を持ちました。例えば、ケイト・ブッシュのようなイメージです。MCで話をされる雰囲気は、女優の宮城まり子さん(1927-2020)を思い出しました。

長田進さんは、Coccoなどとの作品で覚えています。ギター演奏は、今日は羊毛さんの影響で同じタイプのギターにハマったという話をされていました。曲の終わりにギターを両手で持って少し揺らす感じは、最近ネットで見た配信映像なら、ニール・ヤング(Neil Young)が浮かんできました。長田さんは日本のロック界のニールっぽかったです。”こうして、来てもらえる、会場に(お客さんが)いてもらえるだけでうれしい、とおっしゃっていました。

ラストの4人による演奏では、Salyuの声は唯一無二の楽器だとあらためて感じました。メインのボーカルパートを佐藤さんが歌うのに合わせて、声を聴かせてくれましたが、ペダルスティールギターのような秋の風と空に透過して澄み渡る空気を感じさせるような声、感じ入りました。

ステージが終わって外に出たときも雨の降り具合は変ることがありませんでしたが、久しぶりにライヴを観たという気持ちで下北沢を後にすることができました。ニュー風知空知は、店内もしゃれているので、また別の機会があっても来てみようと思いました。

Salyuの歌声を現場で聴くのは、今年2020年は、これが2回目です。2月にスカイツリープラネタリウムで聴いて以来になりますが、このコロナ禍で2回は、僕なりに頑張って観に来れているつもりです。ただ、これまでの4人でのジョイントライヴの経緯も今日知ったほどで、少し間が空くとアーティストの状況も変わりますので、自分のフェイバリットな人は、ちゃんと情報を得ていきたいと思っています。21世紀は、Salyuのおかげで音楽的にも生活のリズムも活き活きとした心地で歩んでこられました。これからも良い奏でを楽しみにしております。