ysheartの長い旅

観戦、観劇、鑑賞をきっかけに感傷に浸る旅の記録です。

#49 キング・クリムゾン来日2021 再び赤く!

キング・クリムゾンの来日公演、第7日・第8日は追加公演2日間。私ysheartは、第1日以来の参加でした。チケットは、S席16000円。大きな買い物ここまで一生懸命です(笑)

 

KING CRIMSON

MUSIC IS OUR FRIEND JAPAN 2021

2021年12月7日(火)17時30分開場・18時30分開演

2021年12月8日(水)17時30分開場・18時30分開演

 

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12月7日、オーチャードホール

 

12月7日(火)【特に何か関連付ける意味合いは考えませんが、この日は、キング・クリムゾン初代リードボーカルを担当された、グレッグ・レイク氏の命日でした】

 

1.デヴィル・ドッグス・オブ・テセレーション・ロウ

 

例によって、トリプルドラムの競演で始まるのですが、「ザ・ヘル・ハウンド・オブ・クリム」とは違うタタタタタタ タタタタタタ・・・と始まるやつ←これは、「デヴィル・ドッグス・・」で「ヘル・ハウンズ・・」より若干速い、と覚えておいたのです。保証はしません(笑)他のウェブサイトによれば、Hell Hounds of Krim、Drumsons BISH! ・・・などとされていたりします。また、Drumsons BISH!・・・というのは、セットリスト表記の際だけの呼び方で、実際の曲名はHell Hounds・・やDevil Dogs・・だったりするとの情報もあり、僕はこれ以上考えないことにしました(笑)曲名云々よりは、紅の王様の魂を感じましょう。

 

2.太陽と戦慄 パート1

 

そこからの、ヒバリの舌1への流れはぞくっとさせてくれます。きらきら音が鳴って静かなところからじわじわとギター音がやってくる。妙な感じが、邦題だと”戦慄”という的確な言葉で表されています。

 

3.ニューロティカ

 

80年代の第3期の2作目『ビート』収録曲とは違って聞こえます。

 

4.クリムゾン・キングの宮殿

 

やっぱりこの曲は、ほっとするなあ。同時に昂揚する。いったん曲が終わった感じのところで、みんな絶対に拍手して、その後、ギャヴィンさんのシンバルの音から、パペットの踊りになって、最終章(コーダ)の狂った明るさに満ちた音の乱舞で幕。

会場で聴き慣れるにつれて、この、《コーダ》のパートが本当に好きになりました。

 

5.ザ・コンストラクション・オブ・ライト

 

第1日には演奏されなかったので、聴けて嬉しい。ベース音で走るような始まり。

 

6.インディシプリン

 

2015年の来日公演が僕の初めての生クリムゾンでした。その時は楽曲をほとんど聴きこんでおらず、この曲も特定するのに苦心しました。I did!とジャッコが歌う部分が頼りでした。そういう思い出深い曲です(笑)

今回は最後に、もともとの歌詞を変形させてか、「いいね!」と言って締めくくりが楽しい。

 

7.平和/序章

 

2作目『ポセイドンのめざめ』からの叙情的な小品。よいアクセントになりますね。

 

8.再び赤い悪夢

 

僕が未熟だった頃はこれとラディカルと太陽と戦慄などと区別が難しかったのが懐かしいです(笑)この曲は、本当にライヴでは軽快で聴きやすくて、良い存在であってくれる気がします。

 

9.ディシプリン

 

第3期最初のアルバム表題曲、どうしても「インディシプリン」という不規則なほうが個性が強くて、規律のほうがイメージがしづらいのはどうしてでしょうか←

 

10.レッド

 

第2期、ジョン・ウェットン在籍の最終作の表題曲は、やはり弾みのつくノリが素敵であります。ギターのゆらゆらとはいりこんでくる序奏から、ギター音の中心のパートはすべてクセになる聴かせどころばかりの曲。メル・コリンズのサックスがいい塩梅で存在感を何気に示すところが好きです。

 

11.エピタフ

 

この曲は、1stアルバムを聴いた当初は、時代を感じましたが、聴くごとに、良い曲だなと思うようになりまして、とりわけ、今回最後の来日と言われることも重なってか、I'll be cryingと繰り返されるところは、ぐっとくるものさえ、ありました。

 

12.トニー・カデンツ

 

トニー・レヴィンのベースのインプロヴィゼーションかと思われます。

 

13.21世紀のスキッツォイド・マン

 

確か今回大阪で、セット1をスキッツォイド・マンで締めくくった日があったと記憶していますが、東京でも今回来ましたね。ギャヴィン・ハリスンのソロも入ります。最後のジャッコの”21st century schizoid man"と歌う直前に、3人のドラマーが同時にスティックを片方、宙に放り投げるのが痺れますねえ。

 

休憩(15分間)20:05頃から

 

14.Drumzilla

 

直感ですが、これはDrumsonじゃなくてDrumzillaだろと思ったら、Drumzillaで正解みたい(笑)本当の正解は各自調べられたし。

 

15.ラディカル・アクションⅡ

16.レヴェル・ファイヴ

 

今回、全米ツアーでも、この2曲は1セットで続けて演奏されていたようです、例外なく。「レヴェル・ファイヴ」の終盤、本当に7人全員がそれぞれの楽器を一生懸命奏でている景色が鬼気迫るようでした。3人同時にスティックを持った腕を上に掲げた場面が印象的だった。・・・のはこの曲でしたよね。

 

17.平和/終章

 

序章と歌詞が違うことを今回改めてつよく意識。Peace  is・・・と連なるのは、こちらの終章の方。

 

18.太陽と戦慄 パート2

 

これも第1日にはなかった曲、やはりパート1があれば、太陽と戦慄ペア!パート2も聴きたいですからね。最後の強烈な感じがこの曲の非凡なところ。

 

ENC

 

19.スターレ

 

メインのフレーズでは、ロバート・フリップの弾くようすをどうしても注目してしまう。哀愁のメロディ。そして、この序奏の旋律は最後に戻ってくるけれど、歌唱は、戻ってこないまま曲は終る。そこがどうにもできない寂しさを漂わせます。

 

21:00頃 終演。

 

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12月8日、オーチャードホール

 

12月8日(水)【ポピュラー音楽史にとっては重い、ジョン・レノン氏の命日でした】

 

1.ザ・ヘル・ハウンド・オブ・クリム

 

10分程度遅れての開演。2人のスタッフが舞台上で互いに礼、客席に礼、注意書きのボードをひっこめて、さあ、最終最後のクリムゾンとしての生演奏。

今回は、「ザ・ヘル・ハウンド・オブ・クリム」のほうだと自分では確信して聴いていたのですが、変えてあるところもあった気がします。この曲も、Drumsons BISH!・・・と付記されていたりします。

 

2.ザ・コンストラクション・オブ・ライト

3.レッド

4.クリムゾン・キングの宮殿

5.ラディカル・アクションⅡ

6.レヴェル・ファイヴ

7.アイランズ

 

クリムゾンの楽曲特に、第3期、ヌーヴォ・メタル期などになじんでくると、この曲の叙情性あふれる静かな曲調、雰囲気が尊く思えるようになってきました。

「レヴェル・ファイヴ」で盛り上がってからの、「アイランズ」。何か懐かしい場所へ帰るような感覚が入ってくるようで、センチメンタルな気持ちになりそうな。これが表題曲の、第1期クリムゾン最終作『アイランズ』は、僕が生まれた年にリリースされたのです。

 

8.ニューロティカ

9.21世紀のスキッツォイド・マン

 

休憩(15分間)19:45から

 

10.Drumsons BISH!

11.エピタフ

12.再び赤い悪夢

13.トニー・カデンツ

14.平和/終章

15.冷たい街の情景

 

全米ツアーでも、今回の日本ツアー第1日でも、ドラム演奏の次、2曲目は、この曲でした。2nd『ポセイドンのめざめ』の代表曲、1st代表のスキッツォイド・マンをもう少し精神を安定させたような(笑)、しかしあらためてこの位置で聴くと、なかなかおしゃれで大人な良い曲だなと思います。

 

16.インディシプリン

 

「いいね!」で本編が終わるとは意外でした(笑)

 

ENC

 

17.太陽と戦慄 パート2

18.スターレ

 

21:05頃、終演。

 

『太陽と戦慄』からの楽曲がこの日はゼロだっただけに、アンコールでのパート2登場は、こうでなくっちゃ!という楽しい気持ちで聴けました。

そして、最後は、安定の「スターレス」。歌の3コーラスが全て終わって、緊迫した音色の続く部分に入ると、例によって、舞台が赤い照明で充たされていきます。

崇高な演奏でした。

最後の、”トニー・レヴィンがカメラを取り出すのを合図にこの時だけ携帯スマートフォンでのみ撮影”タイムでした(笑)

そして、メンバー5人、トニーが去っても、フリップは残り、客席をバックに、自撮り(笑)こういうミーハーな感じのフリップ氏、良いです。コロナ禍で、昨年から動画で、トーヤさんとダンスしたり、ひよこか何かの着ぐるみで走り回ったりしていたのを思い出しました(笑)

 

雨は少し小降りになったようです。夜の渋谷オーチャードホールを後にした私ysheartでした。

 

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平和、アイランズ、太陽と戦慄1・2、レッド。

 

2015年、2018年、そして、2021年。3度とも観ましたが、今回は、僕の予習、知識の準備がしっかりしていて、3度のうちで、最も充実したライブでした。

Moonchildは今回聴く機会を逃がしましたが、2018年に聴いたことで良しとします。何より、最後の、そして、コロナを脱する最初の来日アーティストとして、キング・クリムゾンの世界に浸ることができて、十分、上出来だと自分の体験を想います。

 

明けて、今日は12月9日。

トニー・レヴィンTwitterからのダイアリーで、大阪から東京への移動に、過去の、メンバーの影を映し出すかのような回想が重ねられていました。亡くなったビル・リーフリン氏、まだお元気であろう、エイドリアン・ブリュー氏、などなど。

 

いつまでもお元気で、そしてまた日本へいらしてください。

 

ロバート・フリップ、ジャッコ・ジャクジク、トニー・レヴィン、メル・コリンズ(以上ステージに向かって上段右から左)、

ギャヴィン・ハリスン、ジェレミー・ステイシー、パット・マステロット(以上、下段右から左)。敬称略。

 

プログレッシブ・ロックのライヴレポートでした。