東京文化会館でクラシックのコンサートといえば、当ブログの代名詞になる予感がしているのですが、それは別として、3月23日(火)今日の夕方は、小澤征爾音楽塾のコンサートを堪能しました。
小澤征爾音楽塾 特別公演 2021
2021年3月23日(火)19時開演 東京文化会館 大ホール
ベートーヴェン:「エグモント」序曲 作品84
指揮:宮本文昭
小澤征爾音楽塾オーケストラ
私はクラシックの素人ですから、好きなように書くと知識がないのがバレバレになりますが、好きなように書きます。何か伝わればと思うからです(笑)。
これらの楽曲を演奏することを事前に知ったので、数日前から、クラシックは、この3曲だけ聴いて心の準備をしました。数か月前からCDで聴き慣れていた第7番はともかく、あとの2曲は何回か聴く必要がありました。
ちゃんと聴いてポイントを自分なりに押さえて印象を知っておけば、当日、眠気を抑えることもできます(音楽に向き合う姿勢があっても仕事帰りでどうしても疲労が表に出てしまうことはあります)。
結果を言えば、やはり、目はさえて、演奏を聴くのに集中することができましたよ。
宮本文昭さんはオーボエ奏者で知っていましたが、指揮を見るのは初めてです。最初の「エグモント」序曲から、拳法の師範のようなパワフルな指揮でした(喩え、ご容赦;)。この曲については、僕はあらかじめ、YouTube動画で、小澤征爾さんの指揮を見ていましたが、その時の小澤さんもものすごいパワーというか念力と、それをもってオーケストラを掌握せんとするような、クラシックの神が憑依したような、指揮が印象的でした。宮本さんも、今日は、鬼気迫るような迫力でした。
続いて、弦楽セレナード。
弦楽合奏となるので、「エグモント序曲」が終ると、弦楽器以外の人は退場し、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスだけ、34人(だったと思う。プログラムに写真のある演奏家の方々の人数とも合います)が残りました。
僕は昨年11月末に、日経ホールで、ベートーヴェンの弦楽四重奏を聴きましたが、おそらく四重奏曲、と称する場合は、少人数の編成になるのでしょう。今回の合奏の形態だと、それぞれの楽器に何人も参加するので、大きな編成になるのですね。
合奏は、四重奏と同様、指揮者なしですることがあると、どこかで読みました。
チャイコフスキーは僕の好きな作曲家のひとりですが、この曲は初めてコンサートで観ます。
第1楽章でも最後に、序奏が戻ってくるし、第4楽章(最終楽章)でも最後に、この序奏が来ますね。
宮本さんはここでも全身で表現するような指揮で魅せましたが、第3楽章の途中、19時35分~40分のあいだだったと記憶しておりますが、背後の(客席の側の)手摺からそれて、斜め後ろに転倒してしまいました。
こんなことになるとは全然予想しませんでしたから(私がかつて在籍した大学の先生が講義中に突然倒れて以来の衝撃!)、しばらく横になったまま動かない宮本さんを見て心配。すごいのは!この倒れている間ずっと、楽団のみなさんは演奏ブレずに続行!!
さすがに、最前の奏者(眼鏡の男性)が、演奏しながら、宮本さんに手を差し出して起き上がってもらおうとしましたが、その時、宮本さんは自力で立ち上がり、台に上がってふたたび指揮に戻ったのでした。そのまま演奏が安定して続いていたのは、小澤征爾さんの念力が宿っているのではないかと思うほどで、それは天晴でした。
20分休憩の後、わりと何度もCDで聴いていた、ベートーヴェンの交響曲第7番!
だんだんこの第7番が好きになってきました。わかりやすく、聴きどころもはっきりしていて、明るく元気なシンフォニーですね。
21時過ぎまでで終了。最後のカーテンコールは、3回戻ってきてくれました。心でブラボーしかし、大きな拍手と手を振って。春の温かい午後。オーケストラの皆さん、ありがとう!