ysheartの長い旅

観戦、観劇、鑑賞をきっかけに感傷に浸る旅の記録です。

#72 YES!『危機』50周年、来日2022

英国のプログレッシブ・ロック・バンドYES(イエスの来日公演は、3年ぶりの今回も迷わずかなり早いうちにチケットを得て、9月5日の東京公演(ツアー初日)を観たのですが、それから1週間後の12日追加公演も観ました。やはり、2回観たことで、ライヴの余韻が自分の明日からの原動力になったと実感できてよかったです。

 

2016年は、クリス・スクワイの追悼で始まり、何ともいえない気持ちだったのが思い起こされますが、2022年は、アラン・ホワイトの追悼で幕を開けました・・・。2019年の公演の際既に、ほとんどの曲をジェイ・シェレンが代役で演奏していましたが、ともかく、また一人、YES全史の多くの部分を生きた証人が星になりました。

 

以下、5日の感想、それに続いて12日の感想を、セットリストを含めながら記しておきます。2022年は、YESの最高傑作、プログレの金字塔、第5作『危機』(原題:Close to the Edge)発売から50周年となります。9月3日朝の、ジェフリー・ダウンズ(キーボード)のツイート”おはよう東京!”を見た時から、気持ちはライヴに一直線でした。

 

YES『危機』50周年記念ジャパンツアー

オーチャードホール(東京)

2022年9月5日(月)

18時15分開場、19時開演

 

右が今回のプログラム(5000円)。全編英語だが日本語版ダウンロード可。

 

YESメンバー:スティーヴ・ハウ(ギター)、ジェフ・ダウンズ(キーボード)、

ジョン・デイヴィソン(ギター、ボーカル)、ビリー・シャーウッド(ベース)、

ジェイ・シェレン(ドラムス)

※シェレンは正規メンバーとなっているのか私はわかりません

 

オーチャードホールの開場時間に、入口から建物内の階段をB1階まで降りるほどの入場待機列ができるなんて(しかも自分もそこに並ぶなんて)初めての体験でした。

 

特に今回は、コロナ禍で少なかった海外アーティストのライヴ、東京公演が(追加公演含めて)三日しかなく、あとは、名古屋・大阪で各一日。キング・クリムゾンの時とは事情が違います。

 

入場して物販でプログラム5000円に驚くysheart。3500円くらいだと思ってきたのだが。カード決済もダメ。さっき、2階でミックスサンドとコーヒーで一息ついたので、財布の中はout!ysheart、アウト~~!!(笑)

 

この日は物販のことを考えずライヴに精神を集中することにしました。以下、セトリへ!19時開演。

 

0.世紀の曲り角

Turn of the Century

《アラン・ホワイト追悼》

0.オープニング(ストラヴィンスキー作曲 組曲火の鳥』から)

Excerpt from 'Firebird Suite'

 

1.自由の翼

  On the Silent Wings of Freedom

2.ユアーズ・イズ・ノー・ディスグレイス

  Yours Is No Disgrace

 

『トーマト』(1978年)からライヴで聴けたのは僕は初めてです。そこから、例の胸像がスクリーンに左右対称に映し出されての2曲目、『イエス・サード・アルバム』(1971年)から。2019年東京公演でも演奏されましたが、これ聴くと、心にストンと落ちるものがある、安心の曲。

 

3.夢の出来事

  Does It Really Happen?

4.トゥ・ビー・オーヴァー

  To Be Over

 

『ドラマ』(1980年)、さすが、80年代にいちばん多感な時期を過ごした自分にはこういう音が最も親和性を覚えるのです。

それから、ハウ爺のソロ。あらためて、僕はハウのギターソロの知識もっと必要であり、それ以前に、『リレイヤー』(1974年)は聴いておけ(YESファンを語るなら!)と反省の気持ち。このソロ曲のタイトルは、5日の公演が終わった後でネットの情報からわかったのです。本来、ジョン・アンダーソンのボーカルと共に進行する楽曲です。

そして、次は・・・!

 

5.不思議なお話を

  Wonderous Stories

 

90年代暮れに、YESのベスト盤を購入した聴いた時に知って、すごく感動した曲です。

これほど美しい曲があったのかと。

今回のライヴ冒頭の「世紀の曲り角」と同様、『究極』(1977年)収録。

 

6.ジ・アイス・ブリッジ

  The Ice Bridge

7.燃える朝やけ

  Heart of the Sunrise

 

最新作『ザ・クエスト』(2021年)のオープニング曲。

続いては『こわれもの』(1971年)収録の好きな曲、80年代後半にFMラジオから毎週ある番組から流れてきて知った「燃える朝やけ」。ギターとベース、キーボードのスリリングな攻防。

最後にハウが見えを切ったかのような堂々の顔とこちらに投げかけた手に、拍手(笑)

 

そして今回、なんと、途中休憩ないまま、川のせせらぎの音が聞こえて、アルバム『危機』全曲再現につながります。

 

 

8.危機

  Close to the Edge

9.同志

  And You and I

10.シベリアン・カートゥル

  Siberian Khatru

ENC

11.ラウンドアバウト

  Roundabout

12.スターシップ・トゥルーパー

  Starship Trooper

 

ラウンドアバウト」では立ち上がったysheart!

おなじみ、独特なギターの音色がくりかえされる「Wurm」で幕。

※これは”虫”を意味するのか(それだと嫌なんですがw)、ウルム氷期を連想させるものなのか、僕は、まだ知りません

 

帰り道の人の波、「前回より良かった」という声が聞かれました。

僕は、前回も良かったです(「同志」のハウのペダルスティールギターが得も言われぬ心地よさへといざなってくれましたから。他にも「チャンスも経験もいらない」が聴けたり、トニー・ケイがいたりと、2019年Tokyo Dome City Hallでのライブも楽しい空間でした)。

 

プログラムからメンバーの写真。アラン・ホワイト含む。

 

帰宅してから、9月5日午後11時27分ツイート。

【YES来日公演初日、よかった。ハウのギター絶好調。ソロはClapじゃなくてsketches in the sunだったか?記憶が自信ない。3曲目のDoes it really happen?や5曲目にWonderous Storiesがライヴで聴けたのは感激的。ラウンドアバウトは立って手拍子。2時間。物販が高いので買い物せず良い余韻のまま帰宅。】

※ハウのソロに関して、このツイートは間違いで、正しくは、上記セトリの通りです。

ここで僕は、「To Be Over」収録の、YESファンを名乗るなら聴いて当然だと言われそうな、1974年作品『リレイヤー』を、ヘビの描かれたジャケットが怖いだとか、超絶長くてハードな印象の曲を聴くのに気が引けていた自分を、猛省したのでした。

つい先週のことでした。←

 

12日(月)

1週間あっという間だった。追加公演そして今回の来日最終日。

僕としては、5日の公演が僕の中ですべてだったと思っていたのですが(自分の準備不足や巡り合わせのよくない諸々のことがあったにせよ)、やはりもう1回自分を”補強”して、ある地点まで到達したいとの想いから、12日参加意思を固めて。この日は、自分の推しのアイドルグループのライヴもあったのですが、今回はこちらを選択しました。

 

仕事を終えて定時で打刻して駆けつけるも、前物販は、ほぼ目の前で締め切り。それはそれで、先陣を切って入場できるわけで、プログラムを5000円で無事に購入(あらためて今回グッズ全般に高額な印象)。往年のYESファンでないせいか、そのことへの諦めもあっさりできるのは、いいことかもしれません(笑)。

 

3階席から眺めるように観られたら十分だと思っていたが、結局、最後は立ち上がって、メンバーに手を振っていました。

以下、この追加公演のセットリスト。今回は、「不思議なお話を」「ジ・アイス・ブリッジ」が先に来て、ハウのソロ~+デイヴィソンのボーカル~ダウンズのソロ演奏、となるのが、12日だけの流れです。

 

Turn of the Century、火の鳥

1.自由の翼

  On the Silent Wings of Freedom

2.ユアーズ・イズ・ノー・ディスグレイス

  Yours Is No Disgrace

3.夢の出来事

  Does It Really Happen?

4.不思議なお話を

  Wonderous Stories

5.ジ・アイス・ブリッジ

  The Ice Bridge

6.トゥ・ビー・オーヴァー

  To Be Over

7.リーヴズ・オブ・グリーン

  Leaves of Green

8.ラジオスターの悲劇(インストゥルメンタル

  Video Killed the Radio Star

 

9.危機

  Close to the Edge

10.同志

  And You and I

11.シベリアン・カートゥル

  Siberian Khatru

ENC

12.ラウンドアバウト

  Roundabout

13.スターシップ・トゥルーパー

  Starship Trooper

 

『海洋地形学の物語』(1973年)収録の「古代文明/The Ancient」に含まれている、スティーヴ・ハウの演奏にジョン・アンダーソンのボーカルが加わるパートは、Leaves of Greenと呼ばれていて、2016年の来日時にも聴いた記憶があります。僕は、この2枚組は15年位前に初めて聴いた時点でかなり気に入っていましたが、当時の僕ですから、気分の域を出ていなかったでしょう。本当は、もっと聴いていかなければね、人と語れませんよ(自虐的な心境です)。

 

この曲は秋の訪れをイメージさせてる気がしないでもない。

今日(14日です)も暑かったけれど、徐々に秋の日差しに移り変わっていくでしょう。

 

11月の紙ジャケ再発とのこと。『ビッグ・ジェネレイター』含む嬉し。

 

僕がプログレに入った起点は、80年代半ばのエイジアからでした(ハウのいない3rd『アストラ』です)。―だから、エイジアにはそれ以来親しみもあり何度かライブを観たので、今回のダウンズのソロとスクリーンのMV(少女が可愛い)は僕にはしっくりきますねえ―。

87年に、リアタイでYESを聴いたのが、11月の念願の紙ジャケが実現する『ビッグ・ジェネレイター』でした。そこから、『ロンリー・ハート』にさかのぼる道と、『結晶』に向かう道と同時にたどっていくことになるのです。

ラウンドアバウト」が本当に楽しいと感じたのは、たぶん90年代終わりのベスト盤で聴いた時で、ここで多くのイエスクラシックを聴きました。

 

今でも悔やまれるのは、2003年の来日公演を観られなかったこと。あの頃、僕がもっと豊かであったなら!でももうどうにもならない。クリス・スクワイアはもういない。

ジョン・アンダーソンのいるYESは観ていない。もっとも、ジョン・アンダーソンのソロ公演を2006年に(東京国際フォーラムで)、トレヴァー・ラビンリック・ウェイクマンのトリオ来日だった2017年も観ました(あれは2回観ました、やはりオーチャードホール)。それはせめてもの救いと言えます。これでもYESファンです。

 

9月5日、渋谷の街を後にした。

 

9月12日午後11時17分のツイート。

【#YES 『危機』50周年記念ツアー9/12東京、1週間ぶり再び。5000円パンフレット買った。5曲目TheIceBridge後、ハウのTo Be Overからデイヴィソン入ってLeaves of Green。ダウンズのラジオスター!うれしい80年代的流れ僕には良かった。アンコールは同じ2曲、感動の幕。ぜひまた来日を。#yesjapantour2022】

 

感動をありがとう!またYESメンバーの皆さんと再会できることを願っています。