今週は、アメリカ合衆国の歌手、ボズ・スキャッグス(Boz Scaggs)の来日公演があり、私ysheartは、21日(水)、小雨のなかを観に行ってまいりました。そのレポートをします。
主催:J-WAVE/interfm
企画・招聘・制作:ウドー音楽事務所
2024年2月21日(水)
18時15分開場、19時開演
今回はA席(サイド席)で見えづらい席とはいえ、来られて良かったです。
(ドリンク代500円取られました。ここは”ホール”ですが、ライブハウスだからかな)
ボズ師匠、今年6月に御年80歳の大台を迎えられます。今回は、70代最後の日本での雄姿を拝見することができました。
19時5分ごろ、開演し、バンドメンバーたちとともに登場、背が高くしゃんとしてセンターに向かう姿に安心しました。
それから、全19曲。最も心配した歌唱ですが、やはり高いキーは限界が感じられたものの、往年のソフトな声が伸びて、それをサポートするバンドの演奏も音も質が良く、おおむね納得のいくライブでした。
ともかく、21日(水)のセットリストを以下、掲げます。
1.天使のおりる谷/Sierra
2.ミス・リドル/Miss Riddle
3.ラスト・タンゴ・オン・16thストリート/Last Tango On 16th Street
5.ザ・フィーリング・イズ・ゴーンThe Feeling Is Gone(Bobby "Blue" Bland cover)
6.アイヴ・ジャスト・ガット・トゥ・ノウ I've Just Got TO Know
7.スロー・ダンサー/Slow Dancer
8.ロック・アンド・スティック/Rock and Stick
9.サンクス・トゥ・ユー/Thanks to You
10.イッツ・オーヴァー/It's Over
11.ハーバー・ライト/Harbor Lights
12.燃えつきて/Love What You've Done to Me
13.ラジエーター110/Radiator 110
14.ローン・ミー・ア・ダイム/Loan Me a Dime
15.リド・シャッフル/Lido Shuffle
ENC1
16.何て言えばいいんだろう/What Can I Say
17.ロウダウン/Lowdown
18.ウィアー・オール・アローン(二人だけ)/We're All Alone
ENC2
19.ブレイクダウン・デッド・アヘッド/Breakdown Dead Ahead
☆☆収録アルバム☆☆☆(以下リリース順に時系列で表示。数字は、演奏された順序で、上記リストに対応)
ボズ・スキャッグス&デュアン・オールマン/Boz Scaggs(1969)・・・14【1曲】
スロー・ダンサー/Slow Dancer(1974)・・・7【1曲】
シルク・ディグリーズ/Silk Degrees(1976)・・・10、11、15~18【6曲】
ミドル・マン/Middle Man(1980)・・・4、19【2曲】
ヒッツ/Hits!(1980)・・・12【1曲】
サム・チェンジ/Some Change(1994)・・・1【1曲】
ディグ/Dig(2001)・・・2、9【2曲】
ア・フール・トゥ・ケア/A Fool to Care(2015)・・・3【1曲】
アウト・オブ・ザ・ブルース/Out of the Blues(2018)・・・5、6、8、13【4曲】
☆☆☆☆☆
21時5分ごろの終演まで、約2時間のステージでした。
序盤は、抑えた大人の音楽、ルーツに回帰せんとする渋めの選曲ですが、4曲目の「ジョジョ」から、徐々に(←)、僕も知っているイメージのボズ氏が見えてきます。
6曲目は、19日の初日のセットリストにはない、最新作のブルージーな路線の一曲で、全般に、彼のルーツである、リズム&ブルースのテイストの濃い演奏が印象的でした。
その後、私の知ってる世界(←)すなわち、AOR、アダルトコンテンポラリーの、しゃれたポップな音楽の景色、同時に、TOTOの音楽が重なって浮かんでくる世界が視界に広がってきます。その嚆矢(こうし)となる『シルク・ディグリーズ(Silk Degrees)』から(特に11曲目「ハーバー・ライト」はほっとします)、続いて映画の主題歌でヒットした12曲目「燃えつきて」(これが泣けるんですよ・・)。
いったんブルースに回帰してから、本編最後は、再びAORモードの「リド・シャッフル」で。アンコールで再登場後は、AOR系ポップスのエッセンスが豊かな「ロウダウン」、ひと呼吸置いてから、みんな大好き(笑)、みんなが待っていた(笑)「ウィアー・オール・アローン」。ただし、キーは下げてのヴァージョンで。
ダブルアンコールで、『ミドル・マン』から明るくノリの良いヒットチューン「ブレイキング・デッド・アヘッド」で締めくくられたのでした。
MCによると、彼のギターが能登半島地震救済のためオークションに出されるとかいう話でした。
ボズ氏は来日が多い印象ですが、やはりそういう人は、日本のことを想うに敏感であってくれます。感謝に堪えません。
以上、当日のレポートでした。
僕が最初にボズ・スキャッグスのライブを観たのは、1990年7月15日、東京ドームにて開催された、洋楽フェス「KIRIN DRY GIGS '90」でした。
出場者は、ダリル・ホール&ジョン・オーツ、ドゥービーブラザーズ、シーラ・E、ジョニー・ギル、そして、ボズさん。
僕の洋楽ライブ体験の先駆的なイベントでした。忘れがたい思い出です。
因みに、その時のボズのセトリ1曲目は、1988年のアルバム『アザー・ロード(Other Roads)』から「Right Out Of My Head」でした。好きな曲調です。
2012年11月1日(東京・日本武道館)、ザ・デュークス・オブ・セプテンバー(ドナルド・フェイゲン、マイケル・マクドナルド、ボズ・スキャッグス)としての来日も観ました。
そのほか、記憶通りなら、私がボズさんのソロ公演を観るのは、2015年6月15日の来日公演(愛知・名古屋市公会堂)以来となります。「ハート・オブ・マイン」のここちよい響きが忘れがたいです。昨年亡くなったボビー・コールドウェルの作品です。
前回の来日公演(2019年5月)は観なかったかもしれません。何とも意外で悔やまれることです!おそらく、当時のブルース回帰の作品傾向を敬遠した自分がいたのでしょう。
しかし、今回のコンサートを観てもわかるように、ブルース系の楽曲自体も、ボズ・スキャッグスらしい洗練された雰囲気があるし、彼自身が60年代から、ブルース系で始まって、ギターを弾く人だったわけで、AOR、ポップロック時代(88年作品はそれでも硬派な作品と書かれているレビューも見かけたが)のモードも同時に健在です。”枯れてしまった”というのは当時の僕の見識不足でした(笑)
次回の来日公演もあるといいなあ。その時は、「ハート・オブ・マイン」も聴きたいと思っています。
今回のレポートは。ここまでです。音楽的なことは、僕のもうひとつのブログでも書いています。よろしく。では、また。
コンサートや表現のイベントを通して、想いを綴る、私YSハートの長い旅のブログも、まもなく、4周年を迎えます。
長い旅2024 つづく
【追記】
昨年夏アメリカでのセトリを少し予習していきましたが、だいたい以下の楽曲。
What Can I Say
Miss Riddle
Lowdown
Harbor Lights
Look What You've Done To Me
Radiator 110
Lido Shuffle
It's Over