ysheartの長い旅

観戦、観劇、鑑賞をきっかけに感傷に浸る旅の記録です。

#93 小田原城の桜、星の王子さまミュージアム閉館、八重洲ありがとう

南那ちゃんのインスタグラムを見て、ああ、僕も桜をちゃんと見ておきたいなと思いました。3月の長い忙しさから解放された31日、ysheartは有給休暇をとって、箱根に向かいました。久しぶりの遠出。そして、帰りに寄った小田原でようやく、桜の満開の景色を楽しむことができました。

 

小田原を去るころに西日が輝きだした。

 

1.星の王子さまミュージアム閉館

 

実は、31日の朝、僕はゆっくり過ごすものだとばかり思っていたのですが、たまたま見たスマホの記事で、「星の王子さまミュージアム」が閉館するのは、31日なのだと確認!急遽、箱根へ!

 

・・・とはいっても、これは僕の人生で、2回目の訪問にすぎません。

星の王子さまミュージアム」への第1回訪問は、2005年夏だったと記憶しています。あの夏、新国立劇場で、宮﨑あおいさん主演・白井晃演出のミュージカル『星の王子さま』を何度もリピーターとして観に行きました。その勢いで、当時、箱根に行ったのです。また、当時私は、博物館学芸員の資格をとろうとしていた時期で、博物館や美術館に出かけるのが一つの趣味のようになっていたのです。

 

当たり前にそこにあるものだ、と思っていたからなのか、あれほど感動したにもかかわらず、その後来ることがありませんでした。なくなってしまうんですね。

今ほど、”かんじんなものは目に見えない”ことを、人々が確かめるべき時はないというのに。

 

川向のバス停前に、ミュージアムの入口。

 

さて、感動の2回目の入場のせいか、何となくぼんやりしてしまった私。

入場の後、展示ホールのある大きな建物をまわって、サン=モーリス・ド・レマンス城の前の広場まで来て、さあ、出ようか、となりそうだったのを待て待て、18年前、いろいろな展示物を観たことを忘れるな、ということで引き返して建物の中に入りました。

 

映像ホールの入口。

 

映像ホールで、『星の王子さま』の作者アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリのことや、あおいちゃん演じる王子と、ROLLYさん演じるキツネのシーンが観られました。懐かしいなあ。

あれからずっと、このミュージアムで、あの舞台の映像が発信され続けていたのでしょうか。感慨深いものがあります。

 

それから、展示ホールは、サン=テグジュペリ生涯の旅の記録です。

南方郵便機』(1929)、『夜間飛行』(1931)、『人間の土地』(1939)。

いずれも読んだはずなのに、覚えていない。また、読み直さなければ!

 

そして、『星の王子さま』(1943)。アメリカで出版された翌1944年7月31日、サン=テグジュペリは、単身、飛び立ったまま、行方が分からなくなってしまいました。

このことは、僕が子どものころ、かこさとしの『こどものカレンダー』で知り、飛行士というから、てっきり、宇宙に行ってしまったと思い込んでいました。

 

それはともかく、1998年9月、彼の持ち物が海から発見され、2000年にサン=テグジュペリの搭乗機であると確認された機体が、2003年に引き揚げられ、2008年に、ドイツの操縦士が、サン=テグジュペリ偵察機を、1944年7月31日に撃墜してしまったと証言するなど、事態は、20世紀の終わりから急展開を見せました(今回の映像で詳細に思い出しました)。

 

かこさとしの『カレンダー』を読んでいたころにはわからなかった事実ですね。

 

世界中の各国語に翻訳されている「星の王子さま」。

 

話を『星の王子さま』に戻すと、

 

自分がかかわったバラは、他の多くのバラとは違う、自分にとって特別なバラ。キツネもまた同じ。こういうことが、内藤濯(ないとうあろう)の訳だと、言葉がなかなか入ってこない気がするけれど、内藤氏の訳は、やはり、それ自体が新しい日本語の響きを伝えてくれると思っています。内藤訳は内藤訳として暗記するくらいがいいのだと、思われます。

 

かいならすこと。

 

その前に、6人の大人を思い出した。王、自惚れ屋、呑兵衛、実業家、点燈夫、地理学者。僕は、地理学者は嫌いじゃないですが。あと、自惚れ屋は(ミュージカルでは、たしか、ROLLYさんが、キツネと二役演じられたと記憶)、一部のアイドルや芸能人を思い出すねえ。

 

地理学者。

 

いろいろ忘れかけていたものを思い出させてくれた時間でした。名残惜しいけれども、またいつか、星の王子さまを伝える博物館が再生されてほしい、と願って、箱根を後にしました。

 

さようなら、王子さま。

 

さて、ここからは、

今週のお題「お花見」

です。

 

2.小田原城址公園の桜がきれいでした

 

箱根登山鉄道線を小田原で下車した時間、まだ15時ごろだったので、そうだ、今回の桜は、小田原で見よう!と決めて、小田原城址公園へ向かいました。

 

まだまだきれいに咲いていました。

 

桜並木。

 

前回この公園に来たのが、2016年だったと思いますが、あの時はお城が改装中でした。

今回はせっかくなので、天守閣に上って、海を眺めました。

 

前方に見えるのは、真鶴、伊豆方面の海(相模湾)。

 

桜も見て、海を見られる。前日まで予期しなかった最高の小旅行になりました。

しかも、公演を去るころには、太陽の光が差し始めたのです。

 

(今回、お城の中を回っているとき、テレビの大河ドラマ真田丸」の、高嶋政伸さん演じる北条氏政のイメージが頭の中に浮かんでいました。あの役柄はインパクトありましたね。最期まで平静を装うのですが、もはやこれまでとなると、茶づけを泣きながら食べて、自刃する氏政でした。)

 

小田原城天守閣。

3.31日の夜、東京八重洲にて。

 

かくして今回の小旅行は終わったのですが。

東京駅で途中下車して歩いていたら、八重洲口の八重洲ブックセンターの前に人だかりができているのを見つけてしまいました。ysheartは、かつてのysheartらしさが戻ってきたぞ。何かしらのイベントにぶつかるのですよ。それがブログの記事をただならぬ内容に変貌させるわけです。ミュージアムを見て、桜を見て終わりじゃあ、ない。

 

八重洲ブックセンターと桜の木。

 

八重洲ブックセンター

人生最初の上京をして、90年代前半は、よく出入りした書店でした。

僕が人生に悩んで、謎の頭痛で苦しんでいたころ、ブックセンターでクラシックのCDを買ったのを、本を買ったことよりも覚えています。が、いろいろ本を買ったお店であります。

 

あれから、八重洲口に見える書店の外装は全然変わらず、この場所もまた、あって当たり前のような場所でした。

 

44年間おつかれさまでした。ありがとうございました。

 

44年間の歴史がいったん終わるようですが、また商業施設ビル内の書店として戻ってくるし、仮店舗も考えているとのあいさつも聞けました。北方謙三さんのごあいさつも拝見しました。20時台の東京八重洲の風景でした。

 

2023年3月31日。

その日含めた3連休、終わるのが早い。明日から、新年度の本格スタートです。

がんばりましょう!